東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続伸となりました。日経平均は110円高の26,635円で寄り付くと取引開始から10分弱で239円高の26,764円まで上昇しましたが、10時30分過ぎには80円高の26,605円まで上げ幅を縮めました。やや持ち直し140円高の26,665円で前場を終えた日経平均は123円高で後場をスタートさせると14時過ぎに88円高の26,613円まで上げ幅を縮めましたが、その後戻すと結局143円高の26,668円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。また、クリスマス前で薄商いとなり東証1部の売買代金は1兆6122億円に止まり2兆円を下回っています。
2.個別銘柄等
イオン(8267)が3.5%高となり上場来高値を更新しました。新型コロナウイルスの感染リスクが低いとされる郊外大型店で客足が想定以上に回復していることなどから通期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。フジクラ(5803)も3.5%高となりました。東京都江東区に保有していた共同住宅1棟を売却し約36億円の固定資産売却益を特別利益として2021年3月期決算で計上すると発表したことが好感されました。また、東京都港区の本社ビルをカナダの大手不動産ファンドに700億円強で売却する方針を固めたと伝わったエイベックス(7860)も6.7%高となりました。さらに三菱マテリアル(5711)も国内大手証券2社が目標株価を引き上げたことに加えて、国内大手証券1社が目標株価と投資判断を引き上げたことで3.2%高となりました。IHI(7013)も外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで5.9%高となっています。
一方で日野自動車(7205)が急落し12.4%安となりました。米国法定エンジン認証試験の過程において課題が生じたため米国とカナダの北米2工場でのトラック生産を2021年9月末まで停止すると発表したことで生産停止に伴う業績への影響が懸念されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は143円高となりました。米ファイザー(PFE)が来年7月までに1億回分の新型コロナウイルスワクチンを追加供給する契約を米政府と結んだと発表したことでワクチン普及による経済正常化への期待が高まり昨日の米国市場でダウ平均が反発したことから買いが優勢となりました。節目の26,500円や25日移動平均線を回復した翌日に続伸となったことで年末株高への期待も高まりそうですが、戻り目途の一つとみられていた1989年に記録した過去最高値(38,915円)から2009年に付けたバブル崩壊後の安値(7,054円)までの下げ幅の61.8%戻し(26,745円)の水準を超えてくると節目の27,000円を前に上値が重くなってくるだけに今年の取引も残すところ4営業日となるなかでどこまで水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、今晩の米国市場はクリスマスの前日で短縮取引となります。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)