日本株相場は、11月の記録的な急騰の後、12月に入ると2万7000円の大台を目前にして足踏みが続いている。上値が重いともみえるが、一方、押し目買いで下値も堅い。日経平均のチャートを見ると、横一線、真一文字に横ばい推移である。

出所:マネックス証券投資情報サイト

日経平均が横ばいでステイするなか、25日の移動平均は右肩上がりを続けて急接近。乖離率はわずか1.3%にまで縮小した。東証1部の騰落レシオ(25日ベース)は100とこちらもニュートラル。日柄調整を経てテクニカル的な過熱感は完全に払しょくされている。

東京証券取引所が17日に発表した12月第2週の投資部門別株式売買動向によると海外投資家は6週連続で買い越した。買越額は2557億円と前の週(1599億円)から拡大した。このところの物色動向を見ると、トヨタ、ソニー、任天堂といった日本を代表する大型株が活況であり、背後には腰の据わった外国人の買いが入っていることをうかがわせる。

週初の西松屋を皮切りに今週から小売りなどの3~11月期決算発表が始まる。西松屋は今月初旬に今期3度目となる上方修正を発表したものの株価は下落している。調整じゅうぶんなだけに決算発表を機に上昇トレンドに回帰できるか注目だ。金曜日にはニトリHDの決算発表もある。ニトリの株価も夏以降、典型的なボックス相場に入っている。このあたりで抜け出すきっかけがほしいところだ。新規公開ではウェルスナビ、交換できるくん、グローバルインフォメーションなど注目のIPOが今週もまだまだ続く。

懸念材料はやはりコロナの感染拡大に歯止めがかからないことだ。ロンドンおよびイングランド南東部の大半で全面的なロックダウンが20日から再び実施されることになった。一方、モデルナのワクチンも承認されるなど明るいニュースもあり、好悪材料は拮抗する。妥結が遅れている米国の経済対策がクリスマス前にまとまってもおかしくはないので、サプライズはアップサイド・リスクのほうが大きく、売り方は慎重になるので、底堅い展開が続くだろう。

まとめると、テクニカルな過熱感は和らぎ、外国人の買いも確認される。年末ラリーへの準備は万端整ったと言えるだろう。海外勢のクリスマス休暇明けから今年は「掉尾の一振」が期待できそうだ。

今週の予想レンジは2万6500円~2万7200円とする。