今年も残すところあと2週間となりました。12月9日から15日までの間、珍しく窓が発生しませんでした。

そこで今回は、別の観点から解説したいと思います。まずはチャートをご覧ください。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

もち合いの定義とは

今回のポイントは、もち合いについてです。もち合いを形成した後、どのような値動きになるかによって、まだ埋まっていない窓を埋めるきっかけになるかが見えてくるように思われます。

では、そのもち合いについて解説します。もち合いとは、株価の上昇や下落が一服するときに発生するものです。もち合いが形成されるまで続いていた上昇や下落のトレンドが、もち合いを放れたあとも継続するとされています。

では実際のチャートで、どの部分がもち合いになっているのかを見てみましょう。皆さんは分かりますか?

正解は・・・、そうです。12月7日の高値と翌8日の安値のあいだの値幅の範囲内で、12月9日から12月15日まで動いているところになります。

値動きが小さいため、5日移動平均線もほぼ横ばいとなっているのが分かります。このようなもち合いは、前述のように、株価のトレンドが止まっているときに発生するものです。しかし、今回は上昇トレンドが形成されているなかで、もち合いが形成されているのが分かります。

今後の展開について

そこで、今後の展開について考えてみましょう。

上昇トレンドのなかでもち合いが形成された場合、その後も上昇トレンドが継続されることが多いとされています。今回のもち合いの形を見ますと、まさに急上昇のあとの上昇一服ですので、上放れる可能性が高いのではないかと考えられます。

では、どのような形になると上放れと判断されるのでしょうか。このようなもち合いが発生しているなかで上放れを示唆するのが、上方向への窓あけです。

例えば、12月7日の高値を上回り、窓をあけて始まるようなパターンは、上放れのサインと考えられるのではないでしょうか。

一方で、下方向に窓が発生した場合、横ばいから下降トレンドに転換するためには、12月8日の安値を下回って始まるような窓の発生が必要と思われます。

仮に12月8日の安値を下回って始まるような窓が発生した場合、上向きの25日移動平均線がサポートになって株価水準を保つことができるのかが、株価の下放れの判断基準になると思われます。

さらに、このようにもち合いが発生した場合、もち合いの期間が長ければ長いほど、放れた方向にトレンドが発生しやすくなります。また同時に、勢いも強くなることが考えられます。

そのため、5日移動平均線を挟んで上下いずれかに窓が発生した場合は、上放れるパターンになるのか、あるいは下放れるパターンになるのかに注意し、売買判断に役立てたいところです。