まもなく12月の重要なイベントがやってきます。株式市場の重要なイベントと言えば、メジャーSQです。メジャーSQは、3ヶ月に1回、先物やオプションの清算値を決める日で、先物やオプションが清算され、損益が確定します。
また、このSQ値は取引開始後に、日経平均採用銘柄すべての値がついて初めて算出されます。そのため、SQ値は日経平均の取引開始時の値と異なる場合があります。
さらに商いも膨らむため、このメジャーSQに向けた値動きや、メジャーSQ後に日経平均株価が上回っているのかどうかも注目されることがあります。
そこで、こうしたイベントを週末に控え、5日移動平均線を割り込んだ日経平均株価の今後の動向をメジャーSQも含めて考えてみたいと思います。
前回の振り返り
前回コラムでは、「12月1日の株価水準のまま5日移動平均線を割り込んでしまった場合、下げ止まって短期間で反発するような値動きにはならないかもしれません。なぜなら、終値と5日移動平均線の価格差が縮まってきていることに加え、5日移動平均線の上昇角度が緩やかになってきているからです」としました。
また、「仮に5日移動平均線を割り込んでしまうようですと、5日移動平均線が下向きに変化することが考えられ、今度は上値の抵抗になってしまうことも考えられます」とも指摘しました。
実際には、12月1日以降も12月1日の終値水準(26,787円)前後で推移しました。それが12月7日に一気に日経平均が終値で5日移動平均線を下回ると、前述のように5日移動平均線も下向きに変化することとなりました。また同時に、翌12月8日も日経平均は5日移動平均線を下回ったままで推移する結果となっています。
このように、株価水準が切り上がらなくなっているなかで、5日移動平均線を割り込んでしまいますと、5日移動平均線が下向きに変化しやすくなり、株価も下落基調になるということがお分かりいただけたのではないかと思います。(このような形になったときは利益確定売りを優先させる必要があります)
メジャーSQを含めた今後の動向について
では今後の株価動向についてですが、冒頭に紹介した重要なイベントであるメジャーSQを含めて考えたいと思います。なぜなら、メジャーSQは先物やオプションが清算されてリセットされることに加え、新たなポジションを作るタイミングになるからです。
そのため、5日移動平均線を下回ったままの状態でメジャーSQを迎え、SQ値を上回って終えるようですと、5日移動平均線を上回ることも視野に入ってきます。
その反面、5日移動平均線を下回ったままの状態でメジャーSQを迎え、SQ値を下回ったまま終えるようですと、25日移動平均線辺りまで下落が続いたり、11月20日と24日のあいだにあけた窓を埋めたりすることも視野に入ることになります。
そうなった場合には、買いポジションを持っている投資家は、損失の発生や拡大に警戒が必要ということになります。
果たして5日移動平均線上を回復できるのか、あるいは下回ったままの状態が続き25日移動平均線辺りまで下落が続くのか、今週末から来週にかけて目が離せない1週間になりそうです。