コロナショックによる2020年3月の株価急落から一転して、株式相場は上昇しました。米国のNYダウは最高値を更新し、日経平均株価も30,000円が視野に入ってきました。

株式市場に限らず、暗号資産や不動産などにも資金が流れ込み、価格が上昇しています。暗号資産の代表格であるビットコインは、一時200万円を超え、こちらも史上最高値を更新しました。不動産マーケットもオフィスや商業施設は価格が下落しているようですが、居住用物件の価格は世界的に堅調な推移となっています。

相場上昇の背景

このような資産価格の上昇は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界各国政府の積極的な財政支出や、中央銀行による金融緩和と流動性供給が一因とされています。

コロナ禍の影響で経済が低迷すればするほど、追加経済対策が打ち出され、市場にお金が流れ込んでくる展開となっています。

資産運用している人の多くは含み益を持つようになっており、「一旦売却して利益を確定したい」と考えるのは自然なことです。しかし、利益確定してから、更に相場が上昇して利益を取り損ねるというのは、良くあることです。

利食いのタイミングを捉える難しさ

投資は「安く買って、高く売る」ということができれば、利益を上げることができます。しかし、タイミングを捉えて、的確な売買をすることほど難しいことはありません。

行動経済学のプロスペクト理論によれば、「投資家が感情的に売買を行うと、利食いが速くなり、損切りが遅れる傾向がある」と言われています。

「資産が値上がりして含み益が出てくると、せっかくの利益を失うことを避けようとする心理から、それを早く確定させたくなる。逆に、評価損になると、損切りしてしまうと損が確定してしまうので、それを避けようと取引が遅れる」というのが理由です。

保有資産の売却を決める「3つのルール」

後悔しないように資産を売却するには、どうしたら良いのでしょうか。

先述の通り、感情的に売買すると利食いのタイミングは早くなる傾向があります。利食いのタイミングをより的確にするためには、感情を排して、ルールに沿った投資判断をし、それに従って淡々と取引することが大切です。

私はインデックスファンドの積立で金融資産の資産形成を続けています。そこでは、保有資産を売却する基準として次の3つのルールを設けています。

1つは、資金が必要になった時です。金融資産の資金使途は、老後の生活資金と考えています。仕事の収入が減少して、生活資金が足りなくなった時に必要な額を解約して現金化するつもりです。平均購入単価より下がっていれば、利食いではなく損切りになってしまいます。しかし、長期的な積立をしていれば、そうなる可能性は低いと考えています。

2つ目はアセットアロケーションのリバランスのために、比率が高くなった資産を売却する場合です。この場合は相対的に値上がりしている資産を売却することになります。そのため、利食いか損切りかは関係ありません。

3つ目は、保有している資産が投資目的に合わなくなったり、運用方法が変わってしまったりした場合です。

現在は日本・先進国・新興国の株式のインデックスファンドに分散投資しています。しかしながら、将来リスクを抑えるために、株式型ファンドから例えば債券型ファンドに資産配分を変更するかもしれません。そのような場合にはマーケット環境に関わらず、保有している資産を売却することになります。

私自身、国内外の株式のインデックスファンド以外にも、ビットコインを始めとする暗号資産や世界各国の不動産を保有しており、それぞれ含み益が出ている状況です。しかし、現時点では上記の3つのルールに当てはまらないため、利食いをするつもりはありません。

保有資産を売却するかしないかに「利食いかどうか」は関係ないと思っています。なぜなら自分がいくらで購入したかということは、売却のタイミングに影響しないからです。

いくら利益が出るかを考えて売却するよりも、ルールをきちんと決めてそれに沿った取引をする方が、後悔の無い資産運用ができるように思います。