東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続落となりました。日経平均は167円安の26,380円で寄り付くとまもなくして220円安の26,327円まで下落しましたが、下げ幅を縮めると10時過ぎに33円安の26,514円まで持ち直し72円安の26,475円で前場を終えました。96円安の26,451円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに147円安の26,399円まで下落しましたが、下げ幅を縮めると14時20分過ぎに24円安の26,523円まで持ち直しました。しかし、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ結局80円安の26,467円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
岩谷産業(8088)が10.3%高と急伸し年初来高値を更新しました。政府が2050年の温暖化ガス排出実質ゼロを実現するために国内での水素利用量を2030年時点で1000万トン規模とする目標を設ける調整に入ったと伝わったことが材料視されました。水素ステーションを手掛ける三菱化工機(6331)も10.2%高と急伸し年初来高値を更新しています。積水ハウス(1928)も4.3%高となりました。昨日の引け後に発表した第3四半期決算で第3四半期3カ月間の営業利益が前年同期比0.5%増と第2四半期3カ月間の47.0%減から増益に転じたことが評価されました。
また、目標株価の引き上げに反応し年初来高値を更新したのがアドバンテスト(6857)や三井金属(5706)で、アドバンテストが2.9%高となったほか、三井金属も一時5.0%高まで上昇しました。三井金属は上げ幅を縮め引けは2.2%高となっています。さらに自社株買いに反応したのがホシデン(6804)で、発行済み株式総数の3.42%に相当する200万株を上限とする自社株買いを発表したことで6.5%高となりました。
一方ですかいらーくホールディングス(3197)が11月の既存店売上高が前年同月比で14.9%減となったことで2.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は80円安となりました。昨日の米国市場で新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気してダウ平均が150ドル近く下落したことから売りが優勢となりました。しかし、朝方の売り一巡後に下げ幅を縮める展開で小幅な下落に止まりました。押し目買い意欲は依然として強いといえそうで、年末株高への期待は引き続き高いようです。
なお、寄り付き前に発表された7-9月期の実質GDP改定値は前期比年率22.9%増と速報値の21.4%増から上方修正され市場予想も上回っています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)