【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29,638.64 ▼271.73 (11/30)
NASDAQ: 12,198.74 ▼7.11 (11/30)
1.概況
米国市場は利益確定の売りが出て反落となりました。55ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に446ドル安まで下落するとその後下げ幅を縮めましたが、上値は重く結局271ドル安の29,638ドルで取引を終え反落となっています。しかし、11月のダウ平均の上昇率は11.8%となり1987年1月以来の大きさとなっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も7ポイント安の12,198ポイントとなり5日ぶりに反落となりました。
2.経済指標等
11月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は58.2と前月から低下し市場予想も下回りました。10月の米中古住宅販売仮契約指数も前月比1.1%低下の128.9となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げました。そのなかでもエネルギーが5%を超える下落となったほか、金融も2%近く下げました。また、公益事業と資本財・サービスも1%以上下落しています。一方で情報技術とヘルスケアの2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではシェブロン(CVX)とダウ(DOW)が4%以上下落したほか、トラベラーズ(TRV)も3%を超える下げとなりました。また、JPモルガン・チェース(JPM)とボーイング(BA)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、スリーエム(MMM)、ゴールドマン・サックス(GS)も2%以上下げています。一方でアップル(AAPL)が2%以上上げたうえ、インテル(INTC)も2%近く上昇しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、バイオ製薬のモデルナ(MRNA)が新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可を30日中に米食品医薬品局(FDA)に申請すると発表したことで急伸し20%高となりました。また、半導体株の一角が堅調でアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が6%以上上げ、クアルコム(QCOM)も2%を上回る上昇となりました。電気トラックのニコラ(NKLA)はゼネラル・モーターズ(GM)が9月に基本合意した資本・業務提携を見直すと発表したことで急落し27%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い0.84%となりました。ドル円は104円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が底堅さをみせ下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)