今週から名実ともに12月相場入りとなる。ワクチン開発期待等で相場のセンチメントは改善し先高観が高まる一方、これまでのところ11月の相場上昇は記録的なペースになっており一部のテクニカル指標には過熱感も散見される。よって今週の日本株相場は高値圏でのもみ合いとなりそうだ。

市場で意識されているのが、日経平均が1989年12月末につけた史上最高値3万8,915円から2009年3月につけたバブル崩壊後の安値7,054円までの下げ幅に対する61.8%戻しに当たる2万6,745円という水準だ。ここを当面の上値目途とするテクニカル・アナリストが多い。確かに先週日経平均は2万6,700円台に一時乗せたがそこで頭打ちとなった。しかし、2万6,745円は先週末の終値対比わずか100円余り上の水準だ。材料次第では今週一気に抜いてしまう可能性がある。

その材料となりそうなものを挙げると、1)感謝祭明けのセールの状況、特にネット経由の売り上げであるサイバーマンデーの好調、2)バイデン次期大統領がイエレン前FRB議長を財務長官に指名、3)ISM等の経済指標が予想外に良好、などか。どれも可能性が高い。通常、感謝祭の休暇を終え、マーケットに戻ってきた投資家は、年内最後の稼ぎ場と腹を据えて活発に売買する。今年は相場のムードも強きに傾いており、今週から「サンタクロース・ラリー」が始まりそうだ。

一方、コロナの感染再拡大で経済活動鈍化の懸念から調整色を強める可能性もある。しかし、ストラテジーレポートで述べた通り、12月中旬のFOMCで追加緩和の観測がある以上、深い押し目にはならないだろう。押したところを買いたい向きは多いため、押し目待ちに押し目なしの展開か。

日経平均の予想レンジは2万6,200円から2万7,200円とする。