東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに大幅反発となりました。日経平均は374円高の25,901円でスタートすると寄り付きを安値に上げ幅を広げる展開となり10時過ぎに685円高の26,212円まで上昇し669円高で前場を終えました。674円高でスタートした後場の日経平均はさらに上値を伸ばし12時40分過ぎに734円高の26,261円まで上昇し本日の高値を付けた後上げ幅をやや縮めましたが、その後も堅調に推移すると結局638円高の26,165円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

日経平均が大幅高となるなか指数寄与度の大きい銘柄が買われ、東京エレクトロン(8035)が5.6%高となり上場来高値を更新したほか、ファナック(6954)も3.8%高となり年初来高値を更新しました。また、新型コロナウイルスのワクチン普及による経済の正常化への期待が高まるなか鉄鋼株や不動産株、百貨店株などが高く、鉄鋼株では日本製鉄(5401)が4.9%高、JFEホールディングス(5411)が4.5%高となり、不動産株では三菱地所(8802)が3.0%高、三井不動産(8801)が2.7%高となりました。百貨店株ではJ.フロント リテイリング(3086)が4.2%高、三越伊勢丹ホールディングス(3099)が2.7%高となっています。さらに投資判断や目標株価の引き上げに大きく反応したのがLIXILグループ(5938)やディスコ(6146)で、LIXILグループは国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで4.7%高となり年初来高値を更新し、ディスコも国内大手証券が目標株価を引き上げたことで5.2%高となりこちらも年初来高値を更新しました。

そのほか材料が出たところではケネディクス(4321)が15.3%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。TOB(株式公開買い付け)を実施し三井住友ファイナンス&リースがケネディクスを子会社化すると発表したことでTOB価格にサヤ寄せする格好で上昇しました。一方でANAホールディングス(9202)が公募増資で資金調達する方向で最終調整に入ったと伝わったことで一時4.2%安となる場面がありました。しかし、下げ幅を縮め引けは1.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は638円高となりました。英製薬大手のアストラゼネカが開発する新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で高い有効性を確認したと発表したことでワクチン普及への期待が高まり昨日の米国市場でダウ平均が330ドル高近く上昇したことから大幅高となりました。その結果、日経平均が17日に付けた年初来高値を一週間ぶりに更新したうえ、TOPIXも1月20日に付けた年初来高値(1,744ポイント)を10カ月ぶりに上回ってきましたが、日経平均に加えてTOPIXも年初来高値を更新したことで年末に向けての一段高への期待がさらに高まることになりそうです。

なお、今晩は日本時間の25日午前0時に11月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)