今週は3連休明けで4営業日しかないが、木曜日が米国の感謝祭なので、週を通じて実質的に「開店休業」となりそうだ。見送りのエクスキューズとしては「ブラックフライデーで米国の消費の強さを見極めたい」だろう。

新型コロナウイルスの感染が再拡大するなか、地域によって「Go Toトラベル」の新規予約停止や「Go Toイート」の販売停止、営業の時短要請検討など、せっかく盛り上がった消費喚起の機運に水をさす動きが急浮上してきた。これらが相場の重石となるだろう。

一方で押し目買い意欲も強く、大きく売り込むような展開は想定しにくい。海外投資家は2週連続で日本株を買い越した。下がったところは売り方の買い戻しが着実に入りそうだ。

FRBが新型コロナウイルス対策として発動した中小企業向けの資金供給策などを、2020年末で打ち切ることが、一部で悪材料視されているが、大きな問題ではない。資金供給を打ち切るのは、ムニューシン財務長官がFRBに必要財源の返還を要請したためだ。財務省は資金供給の財源として4550億ドルをFRBに与えていたが、連邦議会が検討する追加の財政出動に転用するため返還を求めた。FRBが打ち切る資金供給策は、実際には利用が広がっていない。FRBの資金供給が使われないのは、市中金利が大きく低下して、企業や地方政府が市場から必要なマネーを調達できるようになったためだ。つまり、必要がなく、実際にも使われていないのなら、財務省に返して追加の財政政策の資金に使ったほうがいい。

財務省とFRBの話題では財務長官人事に注目が集まる。前FRB議長のイエレン氏の名前もあがっている。バイデン氏は感謝祭前に発表するとしている。

同じく今週の注目材料は11月開催分のFOMC議事要旨。12月FOMCでの追加緩和の可能性を示唆する内容となるか注目である。

今週の予想レンジは2万5200~2万5800円とする。