レンジ・トレードとトレンド・フォロー
米ドル/円は、過去半年程度も、90日MA(移動平均)を上限、それを2%下回った水準を下限とした狭いレンジでの一進一退が続いてきた(図表参照)。その中では、下がったら買い、上がったら売りといった、いわゆる「逆張り」が奏功したと考えられる。
【図表】米ドル/円の90日MAからのかい離率(2020年4月~)
ちなみに、米ドル/円の90日MAは、19日現在で105.5円。その意味では、上述のレンジは103.5~105.5円程度といった計算になる。これまでのレンジ相場が続いているなら、中心点である104.5円以下は米ドルの買い下がり、そして104.5円以上は売り上がりといったいわゆる「逆張り」がワークすることだろう。
そんなトレード・スタイルが大きく変わるのは、レンジ相場が終わる、つまりレンジの上下限を完全にブレークし、特定のトレンドに向かう可能性が出てきた時だろう。足元なら、上述のように103.5~105.5円のレンジのブレークが最初の試金石になる。
加えて、米大統領選挙前後では、トレンドレスなレンジ相場から、トレンドを伴った高いボラティリティーの相場へ変わることが続いてきた。今回もそんな感じになるなら、上述のレンジ、103.5~105.5円をブレークした方向に大きく動き出す可能性がある。
それはトレード手法としては、下がっても売る、逆に上がっても買うといった、いわゆる「順張り」スタイルへの変更といった意味にもなるのではないか。