【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29,420.92  △262.95 (11/10)
NASDAQ: 11,553.86  ▼159.93 (11/10)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。新型コロナウイルスワクチン普及による経済正常化への期待から景気敏感株への買いが続きダウ平均は上昇となりましたが、ハイテク株から景気敏感株に乗り換える動きからS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は下落となりました。96ドル高でスタートしたダウ平均は270ドル高程度まで上げ幅を広げた後伸び悩むと下落に転じましたが、30ドル安で下げ渋ると持ち直し取引終盤には320ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局262ドル高の29,420ドルで取引を終え続伸となっています。

一方でS&P500株価指数が4ポイント安の3,545ポイントと反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も159ポイント安の11,553ポイントとなり続落となっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、エネルギーが2%を超える上昇となったほか、生活必需品も2%近く上げました。また、資本財・サービスと公益事業、素材も1%以上上昇しています。一方で3業種が下げ、情報技術が2%近く下落し、一般消費財・サービスも1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が6%以上上げたほか、米当局が早ければ18日にも運航停止中の737MAXの再開を許可すると伝わったボーイング(BA)も5%を超える上昇となりました。また、シェブロン(CVX)も4%を上回る上昇となり、スリーエム(MMM)も3%以上上げています。一方でハイテク株が売られるなかでセールスフォース・ドットコム(CRM)が4%以上下げ、マイクロソフト(MSFT)も3%を上回る下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、エクイティファイナンスで最大15億ドルを調達すると発表したクルーズ船大手のカーニバル(CCL)が13%余り下げました。アメリカン航空グループ(AAL)も公募増資を実施すると発表したことで6%を超える下落となっています。アマゾン・ドット・コム(AMZN)は欧州連合(EU)の欧州委員会がEU競争法違反の疑いがあると警告する異議告知書を送付したと発表したことで3%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い0.96%となりました。ドル円は105円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場はダウ平均が続伸となったことから上昇してのスタートが予想されます。日経平均は節目の25,000円を上回って上値を大きく伸ばしそうですが、短期的な過熱感も意識されるなかで一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)