【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26,659.11  △139.16 (10/29)
NASDAQ: 11,185.59  △180.73 (10/29)

1.概況

米国市場は取引終了後に決算発表を控える主力ハイテク株に好業績を期待した買いが入り反発となりました。ダウ平均は38ドル安でスタートすると朝方に229ドル安まで下落しましたが、持ち直すと昼前には170ドル高程度まで上昇しました。その後上値が伸び悩み昼過ぎに小幅にマイナスとなる場面もありましたが、取引終盤に上げ幅を広げると一時は371ドル高まで上昇しました。しかし、引けにかけて上げ幅を縮め結局139ドル高の26,659ドルで取引を終え5日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も180ポイント高の11,185ポイントと反発しています。

2.経済指標等

7-9月期の米GDP速報値は前期比年率換算で33.1%増と過去最大の伸びとなり31.4%減と過去最大の落ち込みとなった前期から急回復し市場予想も上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週から4万件減の75万1000件となり市場予想を上回る改善となりました。一方で9月の中古住宅販売仮契約指数は前月比2.2%低下の130.0となり上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアを除く10業種が上げました。そのなかでもエネルギーが3%を超える上昇となったほか、コミュニケーション・サービスと素材も2%以上上げています。

4.個別銘柄動向

取引終了後に決算発表を控える主力ハイテク株に好業績を期待した買いが入りアップル(AAPL)が4%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、ツイッター(TWTR)が8%高となったほか、フェイスブック(FB)も5%近く上げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%余り上昇しています。なお、アップルは取引終了後に発表した決算でiPhoneの売上高が市場予想を下回ったことから時間外で大きく下落していますが、アルファベットは決算が市場予想を上回ったことから時間外で大きく上げています。さらに動画配信のネットフリックス(NFLX)が視聴プランの値上げによる収益押し上げ期待から3%を超える上昇となっています。一方で音楽配信大手のスポティファイ・テクノロジー(SPOT)が決算で有料サービスの売上高が市場予想を下回ったことなどで3%を上回る下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い0.82%となりました。ドル円は104円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が小幅な反発に止まったことで買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は決算発表の集中日で400社を超える企業が決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)