小動き「過ぎた」米ドル/円

米ドル/円は、今週に入り105円を割れてきた。とくにこれといった「きっかけ」もあったようではない中で、なぜ米ドル/円急落となったのか。基本的には、「動かな過ぎ」の反動ということではないか。

10月の米ドル/円最大値幅は、先週までに1円程度にとどまっていた。近年、米ドル/円の「小動き化」が目立っているが、さすがに1ヶ月の最大値幅が1円にとどまったことはなかった。昨年以降の米ドル/円の月間最小値幅は、昨年12月の1.3円。そもそも、12月はクリスマス休暇の影響などから小動きになりやすい。今月は、先週までの段階でそんな昨年12月の値幅すら下回る小動きとなっていたわけだ。

今週、105円割れとなったことで値幅は拡大したが、それでもまだ21日までの段階で今月の米ドル/円最大値幅は2円未満にとどまっている。今年、月間値幅が2円未満にとどまったのは8月(1.945円)一回だけだったことを考えると、今月の値幅が2円以上に一段と拡大する可能性は少なくないだろう。

21日までの段階で、今月の米ドル/円高値は106.1円。これを高値として、今月の値幅が2円以上に拡大するなら、月末までに104円割れをトライする可能性があるといった計算になるので、小動きの反動はまだ「続き」がある可能性も注目される。