【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 28,308.79  △113.37 (10/20)
NASDAQ: 11,516.49  △37.61 (10/20)

1.概況

米国市場は民主党のペロシ下院議長が交渉は前進していると述べたことで追加の経済対策成立への期待が高まったことや、バイオ製薬のモデルナ(MRNA)のトップが新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で良好な結果が得られれば米政府が12月に緊急使用を認める可能性があると明らかにしたことも好感され反発しました。ダウ平均は50ドル高でスタートすると午後に入って379ドル高まで上昇しましたが、引けにかけて上げ幅を縮めると結局113ドル高の28,308ドルで取引を終え反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も37ポイント高の11,516ポイントとなり6日ぶりに反発しています。

2.経済指標等

9月の米住宅着工件数は年率換算で前月比1.9%増の141万5000戸に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、コミュニケーション・サービスなどの10業種が上げ、エネルギーは1%以上上昇しました。一方で生活必需品が下げています。

4.個別銘柄動向

決算が市場予想を上回る増収増益となったトラベラーズ(TRV)が5%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。ゼネラル・モーターズ(GM)もテネシー州の工場を3番目の電気自動車工場にすると発表したことで電気自動車事業の強化を好感した買いが入り6%を超える上昇となりました。

一方でIBM(IBM)が6%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。決算で売上高や1株利益は市場予想とほぼ一致しましたが、通期の業績見通しを公表しなかったことで先行き不透明感が強まり売りがかさみました。たばこ大手のフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)も決算で上方修正した通期の1株利益の見通しが市場予想に届かなかったことで6%近く下げています。さらに取引終了後に決算を発表した動画配信のネットフリックス(NFLX)は世界の有料契約者数の伸びが市場予想を大きく下回ったことから時間外で大きく下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い0.78%となりました。ドル円は105円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けてやや買い優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)