世界中の国々がバンバンお金を使って新型コロナ対策を実施しています。IMFの発表によると、2020年の世界の政府債務は、世界のGDPとほぼ同額(約90兆ドル)になる予測とのこと。更に2021年には、先進国の政府債務はGDP比125%になるだろうとのこと。想像力の限界を超える規模とスピードです。しかし、致し方ない面もあるでしょう。

一方で思うのですが、古(いにしえ)の時代に於いては、飢饉などの目の前の問題は、蓄えも限られていて、今年に、自分たちで、そのストレスを全て背負わなければならなかったのでしょう。しかし、国家というずっと続くと思われる(錯覚かも知れませんが)主体が出来て、その国家を使った壁パスのようにして、今年ではなくて将来、自分たちではなくて他人に、そのストレスを転嫁することが可能になったのです。

この問題は、私が提唱しているような個人向け永久国債などを活用しない限りは、増税でしか解決していくことは出来ません。我が国に於いては、今増税なんてあり得ない、という風潮と政治家の発言もありますが、アメリカでは、トランプとバイデンのどちらが勝つかで法人税増税の行方は違うけれども、所得税に関しては、どちらが勝っても上がらざるを得ないと云うのが、或る一定以上の税金を納めている層に於けるコンセンサスだと思います。少なくとも企業経営者はそう考えているようです。

なので、だからこそ、即ち所得税の上昇は受け入れざるを得ないからこそ、法人税の上昇は勘弁して欲しい、と云うのが企業経営者、これは大企業もスタートアップも、の気持ちではないでしょうか。ここに隠れトランプが存在することになります。

1ヶ月以内に迫ったアメリカ大統領選は、このような事情もあるので、全く行方が分かりません。現時点での二人に対する人気度世論調査は、選挙の結果からは掛け離れている可能性があります。選挙制度の複雑さもその状況を増幅しています。メディアもないような時代の選挙制度をほぼそのまま使っている訳ですから。さてどうなることやら。そろそろトレーディングの季節でしょうかね!