メキシコペソと南アフリカランド
株高、リスクオンが続く中で、リスク資産と位置付けられる新興国通貨も選好され、メキシコペソ/円は一時5円、南アフリカランド/円は6.4円まで上昇した。さらなる上昇は、90日MA(移動平均線)を5%以上も上回る計算になる。
足元の90日MAは、メキシコペソ/円が4.8円程度、南アフリカランド/円が6.28円程度なので、メキシコペソは5円を上回ってくると、そして南アフリカランドは6.5円を上回ってくると、90日MAからのかい離率はプラス5%以上に拡大する計算になる。
経験的には、2つの通貨ペアとも、90日MAを5%以上上回ると、短期的な「上がり過ぎ」懸念が強まる(図表1、2参照)。それでも、株高、リスクオンが続く中では、リスク資産の新興国通貨が「上がり過ぎ」を拡大する可能性はある。
【図表1】 メキシコペソ/円の90日MAからのかい離率(2010年~)
【図表2】南アフリカランド/円の90日MAからのかい離率(2010年~)
ただ、株安、リスクオフになると、「上がり過ぎ」反動も合わせて急落リスクが高まる。今年3月の「コロナ・ショック」や6月の株安局面はそれが現実になった局面だっただろう。
以上を参考にすると、メキシコペソの5円以上、南アフリカランドの6.5円以上は、株価をにらみながら新規の買いは慎重な判断が必要になるだろう。