東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は下落となりました。日経平均は66円高の23,713円で寄り付くとその直後に78円高の23,725円と本日の高値を付けましたが、そこから上げ幅を縮めると10時前に下落に転じ33円安の23,613円で前場を終えました。やや下げ幅を広げ50円安の23,596円でスタートした後場は14時前に94円安の23,552円まで下落し本日の安値を付けました。その後引けにかけて持ち直した日経平均ですが戻し切れず結局27円の23,619円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は本日も年初来高値を更新しています。

2.個別銘柄等

良品計画(7453)が急伸し10.5%高となりました。決算期変更で変則決算となった2020年8月期の決算で第2四半期の営業損益が37億円を超える黒字となり第1四半期の29億円近い赤字から黒字転換したことに加え、2021年8月期の営業利益が492億円と過去最高を更新する見通しを発表したことで買いを集めました。セブン&アイ・ホールディングス(3382)も4.6%高となりました。上期の営業利益が計画を大幅に上振れたうえ、海外コンビニエンス事業やスーパーストア事業などの見通しを引き上げ通期の営業利益を上方修正したことが好感されました。MrMaxHD(8203)も5.4%高となりました。新型コロナウイルス感染症拡大により衛生用品や巣籠り関連商品の需要が高まり、売上が好調に推移したことで通期の業績予想を上方修正したことが好感されました。ラウンドワン(4680)も4.5%高となりました。9月の既存店売上高は前年同月比20.8%減と大幅な落ち込みとなりましたが、8月の40.8%減から減少率が大きく縮んだことで買われました。また、イオンフィナンシャルサービス(8570)も2.9%高となりました。第2四半期の営業利益が黒字に転じたことで昨日も3%以上上昇しましたが、本日は投資判断と目標株価の引き上げを受けて続伸となりました。

一方で日本触媒(4114)が7.7%安となりました。業績予想の修正を発表し通期の営業利益を70億円から10億円に引き下げたことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は27円安となりました。追加の経済対策の一部が実現するとの期待から昨日の米国市場が続伸となったことから上昇してスタートしましたが、朝方の買いが一巡すると上げ幅を縮め下落に転じました。昨年末の終値の水準(23,656円)を上回ってきたことで達成感から利益確定の売りが出たということなのかもしれません。日経平均は23,500円を超えてくると押し返される展開が続いていますが、こうしたなかで年初来でプラスに浮上することができるかが引き続きポイントとなりそうです。

なお、小売企業の上期決算発表が本格化していますが本日も引け後にオンワードホールディングス(8016)や吉野家ホールディングス(9861)などが決算発表を予定しています。また、今月下旬からスタートする3月決算銘柄の上期決算を占ううえで注目される安川電機(6506)も決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)