年初来からの日経平均とTOPIXの推移を見ると、依然として日経平均の優位性が確認できます。

しかし、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が初めて400人を突破したことが嫌気されて急落した7月末の安値からの上昇では、海運や陸運、商社など内需・外需の幅広い業種が上昇し、TOPIXが主導する相場展開に変わっています。

一方、個別株ではまちまちな状況です。例えば、9月末現在、東証33業種の各業種内で、最も時価総額の大きい個別株の騰落率を見ると、かなり明暗が分かれます。いわゆる各業種を代表する時価総額の「ゼロイチ」銘柄です。

TOPIXは時価総額型の指数なので、各業種の時価総額トップ銘柄は同じ方向を向いていると思いがちですが、「先行」、「出遅れ」がはっきりと出ています。

7月末からの株価推移を見たときに、上昇率の上位3位は、トップのLIXILグループ(5938)(金属製品)、日本郵船(9101)(海運業)、リクルートホールディングス(6098)(サービス業)と続きます。一方、下位の3位は、悪い方からソフトバンクグループ(9984)(情報・通信業)、中外製薬(4519)(医薬品)、野村ホールディングス(8604)(証券)と続いております。

年初来で上昇しているソフトバンクグループ、中外製薬はともかく、年初来でも低水準に留まる野村ホールディングスあたりに注目すべきでしょう。

【図表】下期入りは出遅れ主力株への物色に注目
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャル・リサーチ作成

米国では来週から米金融機関の決算発表が予定されています。米ハイテク株の不安定な動きが続く中、内容次第では金融セクターに買い戻しが強まる公算が大きいとみられます。