株と米ドルの逆相関関係
9月の株安から、10月は株反発傾向となっている。ただし、10月は株も為替も「暴落の記憶の強い月」ということがある。
10月が「暴落しやすい月」ということではない。たとえばNYダウについて過去3年の10月騰落状況は2勝1敗。むしろわずかながら株高だったことが多かった。
ただ10月は「暴落の印象が強い月」。歴史的な株大暴落として、ブラックマンデー、ブラックサースデーといった言葉があるが、前者は1987年10月19日、NY発世界同時株暴落であり、後者は1929年10月、世界恐慌の幕開けとなったNYダウの大暴落だった。
株だけでなく、為替、米ドルの「10月大暴落」も印象的だった。たとえば2008年10月24日は、リーマン・ショックにおける最悪の米ドル暴落が起こった日。また、1998年の10月には、米ドル/円がたった3日間で25円も暴落するといったことがあった。
これまでも繰り返してきたように、「コロナ後」は株と米ドルの逆相関の関係が続いてきた。株高・米ドル安、株安・米ドル高ということ。これをもたらしたのは、「米ドル・キャリー」、つまり米ドル売り運用の影響だと私は考えてきた。この米ドル売り、株買いは、「コロナ後」の米ドル安、株高により、ダブルの利益をもたらしたことになっただろう。
ただそんな米ドル売り、株買いのポジションは、株安になると逆流に転じ、株安、米ドル高をもたらす。それがこの10月に本格化すると考えるなら、トレード戦略の中心はユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルなどドルストレートの売りになるだろう。そうではなくて、株高がまだ続くと考えるなら、ドルストレートを下がったところで着実に買う、押し目買い、また、リスク資産である新興国通貨、メキシコペソや南アランドの押し目買いということになるだろう。