東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は様子見ムードが強まるなか小幅な上昇に止まりました。29円安の23,425円で寄り付いた日経平均は取引開始から16分後に57円安の23,397円まで下落した後持ち直すとしばらく昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりましたが、10時30分頃から買いが優勢になると11時過ぎに51円高の23,506円まで上昇し32円高で前場を終えました。46円高でスタートした後場の日経平均は3円高の23,458円まで上げ幅を縮める場面もありましたが、マイナスになることなく踏み止まると引けにかけてやや戻し結局20円高の23,475円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
大手スーパーのライフコーポレーション(8194)が急伸し10.2%高となりました。2021年2月期の業績予想を上方修正し営業利益の見通しを161億円から240億円へと引き上げたことで買いを集めました。ホームセンター大手のケーヨー(8168)も7.8%高となりました。2021年2月期の上期の業績予想を上方修正し営業利益を14.5億円から42億円へと引き上げたことが好感されました。新日本科学(2395)も急伸し20.4%高となりました。ニホンウナギの稚魚であるシラスウナギの人工生産に成功したと発表したことが注目を集めました。
また、日経平均の上昇に寄与したのがソフトバンクグループ(9984)とエムスリー(2413)で、買いが続き5日続伸で4.6%高となったソフトバンクグループと国内大手証券が目標株価を引き上げたことで6.4%高となったエムスリーの2銘柄で日経平均を97円押上げています。
一方でパーク24(4666)が6.7%安となりました。昨日の取引終了後に発表した決算で第3四半期の営業損益が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で国内外の駐車場稼働率が落ち込んだことにより118億円の赤字となったことが嫌気されました。焼肉店などの外食を手掛ける物語コーポレーション(3097)も8月の既存店売上高が前年同月比8.3%減となったことで5.5%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は20円高となりました。朝方は円高が重石となり小幅に下げる場面もありましたが徐々に買いが優勢となりました。しかし、節目の23,500円をわずかに上回ったところで上値が押さえられました。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に23,500円を超えて買い上がるのはさすがに難しいということなのでしょう。なお、そのFOMCの結果は日本時間の17日の早朝3時に発表されます。また、本日の21時30分には8月の米小売売上高の発表も予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)