東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は上昇しました。120円安の23,114円で寄り付いた日経平均は寄り付きを安値に下げ幅を縮めるとまもなくしてプラスに転じ10時10分過ぎに110円高の23,345円まで上昇しました。その後一旦上げ幅を縮め後場寄り直後に47円高まで弱含んだ日経平均ですが、後場に入って再び上げ幅を広げ14時40分前に177円高の23,412円まで上昇し本日の高値を付けると結局171円高の23,406円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

赤羽国土交通大臣がGo Toトラベルの対象に東京都を加える方針を明らかにしたと伝わったことでJR東海(9022)が3.4%高となったほか、JR東日本(9020)も2.8%高となりました。また、キリン堂ホールディングス(3194)がMBO(経営陣が参加する買収)により株式非公開化を目指すと発表したことで買い付け価格にさや寄せする格好で急伸し16.1%高となりました。

西日本を地盤とする中堅コンビニエンスストアのポプラ(7601)も3.9%高となりました。ローソン(2651)と共同事業契約を結び店舗の一部を「ローソン・ポプラ」か「ローソン」にブランド転換すると発表したことが好感されました。スマホゲームのgumi(3903)も12.4%高と急伸しました。昨日の引け後に発表した決算で第1四半期の営業利益が前年同期比で7.4倍と急拡大となったことで買いを集めました。

一方ですかいらーくホールディングス(3197)が急落し9.7%安となりました。株主優待制度を見直し食事の優待金額を減額すると発表したことが失望を誘いました。積水ハウス(1928)も一時5.9%安まで売られる場面がありました。昨日の取引終了後に発表した上期決算で通期の業績予想と配当予想を下方修正したことに加えて、自社株買いの上限を引き下げたことが嫌気されました。引けは4.0%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は171円高となりました。昨日の米国市場で主要ハイテク株に売りが出てダウ平均が400ドル以上下げ、ナスダック総合株価指数も2%安となるなど大幅反落となったことで日経平均も120円安と下落してスタートしましたが、下げ渋ると米株価指数先物が大きく上昇したこともあって買いが優勢となりました。昨日の米国市場で再び売られた主要ハイテク株の動向が引き続き焦点となりますが、仮に主要ハイテク株への売りが続いた場合でも日経平均が本日のように堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)