東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は大幅上昇となりました。日経平均は264円高の23,147円と節目の23,000円を上回って寄り付くと9時30分ごろから上げ幅を広げ10時30分過ぎに459円高の23,342円まで上昇し、446円高で前場を終えました。416円高でスタートした後場の日経平均はしばらく高値圏で推移しましたが、14時ごろから上げ幅を縮めると結局257円高の23,139円と後場の安値で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上げ、東証マザーズ指数は4%近い上昇となっています。

2.個別銘柄等

大手商社が揃って大幅高となりました。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRK)が子会社を通じて日本の大手商社株をそれぞれ5%余り保有していると伝わり買いを集めました。伊藤忠商事(8001)が4.2%高、丸紅(8002)が9.5%高、三井物産(8031)が7.3%高、住友商事(8053)が9.1%高、三菱商事(8058)が7.7%高となりました。ソフトバンクグループ(9984)も3.1%高となりました。財務改善や株主還元のために保有資産の売却と資金化を進めるなかで保有するソフトバンク(9434)株を約9億2749万株売り出すと発表したことが好感されました。ディスプレー大手の丹青社(9743)も7.1%高となりました。先週末の取引終了後に上期の利益予想を上方修正し前年同期比でほぼ横ばいとみていた営業利益が大幅な増益見通しとなったことで買われました。

一方で自民党総裁選に菅官房長官が出馬する意向を固めたと伝わるなか菅氏が首相となれば携帯電話料金の引き下げ圧力が一段と強まるとの見方から下げが目立ちました。NTT(9432)が5.1%安、KDDI(9433)が4.7%安、ソフトバンクが2.7%安、NTTドコモ(9437)が3.4%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は257円高となりました。先週末の米国市場が上昇したことに加えて、安倍首相の後任となる自民党総裁選に菅官房長官が出馬する意向を固めたと伝わりこれまでの政策が継続されるとの見方が安心材料となり、一時は先週末の下げ幅(326円安)を超えて上昇する場面もありました。今週は月末月初週に当たり重要指標の発表が目白押しですが、こうしたなかで25日の高値(23,296円)を上回ってさらに上値を追うような展開がみられるかがポイントとなりそうです。なお、9月1日には8月の米ISM製造業景況感指数が発表されるうえ、2日には8月の米ADP雇用リポートが、さらに3日には8月の米ISM非製造業景況感指数が、そして週末には8月の米雇用統計が発表される予定で、今週はこうした経済指標や国内の政治情勢をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)