東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇しました。日経平均は257円高の23,242円で寄り付くと上げ幅を広げ前引け間際に399円高の23,384円まで上昇し392円高で前場を終えました。前引けとほぼ変わらずの392円高でスタートした後場の日経平均は一段高となり12時40分前に445円高の23,431円まで上昇し高値を付けると、その後引けにかけて上げ幅を縮めたものの結局311円高の23,296円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落した一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。また、東証1部の売買代金は2兆1242億円となり7日ぶりに2兆円を回復しています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場でデルタ航空(DAL)が来夏までに50便以上の国際線の運航を再開する見通しと発表したことで9%余り上げるなど空運株が大きく上昇した流れを受けて日本市場でも日本航空(9201)とANAホールディングス(9202)が大幅高となりました。日本航空が4.6%高、ANAホールディングスが7.2%高となっています。

また、同じく昨日の米国市場で長期金利の上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)が3%近く上げるなど金融株が買われたことで日本市場でもメガバンクが高く、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が3.0%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が2.7%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)が3.1%高となりました。米長期金利上昇で運用環境が改善するとの見方から生保株も高く第一生命ホールディングス(8750)が1.1%高、T&Dホールディングス(8795)が4.3%高となりました。

さらに西松屋チェーン(7545)が8月の既存店売上高が前年同月比8.2%増となったことで一時6.0%高まで上昇する場面がありました。上げ幅を縮め引けは1.8%高に止まっています。一方でニトリホールディングス(9843)が3.1%安となりました。8月の既存店売上高が前年同月比15.0%増と二桁の伸びとなったものの、7月の22.7%増から伸びが鈍化したことで利益確定の売りに押されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は昨日の米国市場が新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンへの期待で大きく上昇したことを受けて311円高となり節目の23,000円を大きく上回りました。日経平均は20日に大きく下げ12日と13日に開けた窓を埋めると、翌日に切り返しその後続伸し14日に付けた高値(23,289円)を本日超えてきたことで調整一巡との見方が強まり一段高への期待も膨らみそうですが、27日にジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控え様子見になりやすいなかで明日以降もさらに買い上がっていけるのかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の23時には7月の米新築住宅販売件数や8月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数などの発表が予定されています。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )