このレポートのまとめ
1.小売株の決算発表では住宅関連などが好調
2.ロウズ・カンパニーズの決算は良かった
3.ホーム・デポの決算は良かった
4.ウォルマートの決算は良かった
5.エヌビディアの決算は良かった
6.アリババ・グループの決算は良かった
小売株の決算発表では住宅関連などが好調
2020年第2四半期の決算発表シーズンは大詰めを迎えており、今週は小売株が相次いで決算発表しました。
余談になりますが「なぜ小売株の決算発表はシーズンの最後の方に集中しているのか?」というと、それは四半期決算の締めが6月ではなく7月のところが多いからです。
小売業ではクリスマス商戦が重要であり、クリスマスの後もプレゼントの返却、商品を返した後、自分が本当に欲しい別の商品を買い直すなどの売上が発生するため、12月末に決算を締めるのではなく、1月末を会計年度末としている企業が多いです。
その関係で新年度は2月から始まるところが多く、2月から4月が第1四半期、5月から7月が第2四半期…という区切り方をする小売企業が多いのです。
他の業種では6月締めが多いのに対し、小売業だけが7月締めになっているのはそのような理由によります。
脱線した話を本題に戻すと、今週決算発表したホーム・デポ(ティッカーシンボル:HD)、ロウズ・カンパニーズ(ティッカーシンボル:LOW)などのホームセンター(=材木、大工道具、白物家電、照明器具などを扱っています)の企業はいずれも素晴らしい決算を発表しました。
その理由は、新型コロナウイルスの影響で時ならぬ「一戸建てブーム」が到来しているからです。
新型コロナウイルスの影響で在宅勤務となりニューヨークのマンハッタン、サンフランシスコ市内などに住む人たちは、狭いアパートの自宅からオンライン会議に参加し、途中で子供が部屋に入ってきて仕事が中断させられるなどの「アクシデント」が相次いでいます。
もし在宅勤務が長くなるのであれば、家賃の高いマンハッタンやサンフランシスコ市内に住む意味は無い…そういう考えから、この際、住宅コストの安いフロリダなどへ転居を考えるミレニアル世代が激増しているのです。
折から米国の金利は歴史的な低水準にあり、住宅ローン金利もマイホームの買い手にとって有利になっています。
そのような理由から、降って湧いたような転居ブーム、一戸建てブームが到来しているのです。
米国では新築住宅よりも中古住宅の市場の方が大きく、取引も活発です。自分の持ち家を売りに出す人は、まず水回りを綺麗にリフォームするなど、ちょっと住宅に手を入れると高い売値で売れます。そのため住宅市場が活況を呈する「先行指標」として、ホーム・デポやロウズ・カンパニーズでの建材の売れ行きは貴重なデータポイントを提供しているのです。
■ロウズ・カンパニーズ(LOW) 良かった
既存店売上比較は+34.2%でした。米国ホーム・インプルーブメント部門の既存店売上比較は+35.1%でした。
家の修繕、メンテナンスを進める顧客が多かったです。プロ、DIY両方の需要が高かったです。
材木、工具、ペンキは全て+30%以上で成長しました。
■ホーム・デポ(HD) 良かった
既存店売上比較は+23.4%でした。うちトランザクションが+12.3%、チケットが+10.1%でした。
米国既存店売上比較は+25.0%でした。
14ある商品分野のうち13で売上高は2桁成長を見ました。とりわけ材木が好調でした。またキッチン、浴室も好調でした。
単価1,000ドルを超える高額商品の売上は+16%でした。白物家電、芝刈り機、パティオ家具などが強かったです。
プロ向け、DIY顧客の両方とも好調でした。
■ウォルマート(WMT) 良かった
米国既存店の売上比較は+9.3%でした。うちトランザクション回数は-14.0%、1回当たりの購入額は+27.0%でした。
食品日用品が好調でした。
ネット通販は+97%でした。
サムズクラブは+13.3%でした。サムズクラブのネット通販は+39%でした。
たばこ売上高の減少が既存店売上比較を390ベーシスポイント押し下げました。
グロスマージンは63bp改善の24.9%でした。
営業費用比率は21.2%でした。
営業利益は前年比+8.5%の61億ドルでした。
営業キャッシュフローは前年同期に比べ78億ドル増加の190億ドルでした。
フリー・キャッシュフローは前年同期に比べ91億ドル増加の154億ドルでした。
■エヌビディア(NVDA) 良かった
エヌビディア(ティッカーシンボル:NVDA)の第2四半期決算は良かったです。
■アリババ・グループ(BABA) 良かった
主な部門別の売上高は以下の通り:
カスタマー・マネージメント 514.3億人民元 +23%
コミッション 197.8億人民元 +17%
Tモール、フレッシュッポ 301億人民元 +80%
クラウド 123.6億人民元 +59%
デジタルメディア 70億人民元 +9%
モバイル月次アクティブユーザーは8.74億人でした。
修正EBITDAは454億人民元でした。
ノンGAAPフリー・キャッシュフローは366億人民元でした。