このレポートのまとめ
1.ズームインフォ・テクノロジーズのIPO後初の決算発表は予想を上回った
2.ニオの決算は良かった
3.キャノピー・グロースの決算は予想を上回った
4.タペストリーの決算は良かった
5.アプライド・マテリアルズの決算は良かった
■ズームインフォ・テクノロジーズ(ZI) 予想を上回った
同社は8月10日(月)に新規株式公開(IPO)後初の決算を発表しました。決算自体は上の表に見るように良い内容でした。
修正営業マージンは49%でした。営業キャッシュフローは2530万ドルでした。
しかし大口の顧客において5月にセールスサイクルが伸びたというコメントが出されました。セールスサイクルとは商談が始まってから成約に至るまでに要する期間を指します。それが伸びているということは顧客が何らかの理由で契約を躊躇していることを意味し、普通、不吉な兆候であると解釈されます。
そのようなコメントが出たため、第2四半期中の売上高が月ごとに凸凹になったのではないか?と疑うアナリストが決算カンファレンスコールで矢のような質問を浴びせました。
結局のところ、そのようなセールスサイクルの伸びは5月だけに見られた一過性の現象であり、6月に四半期決算を締め切るときまでには見込み客はすべて契約までこぎ着けることが出来ました。
売掛金は8940万ドルでした。前年同期は8690万ドルでした。それから判断してリニアリティーは、それほど悪くなかったと思われます。
来期以降のガイダンスについても下の表に見られるように良い数字となっています。
■ニオ(NIO) 良かった
ES8ならびにES6の納車台数は1万331台でした。前年同期は3553台でした。
車両当りマージンは9.7%、グロスマージンは8.4%でした。
利益は11.8億人民元(1.67億ドル)の赤字でした。
バランスシート上のキャッシュは112億人民元(16億ドル)でした。
■キャノピー・グロース(CGC) 予想を上回った
売上高の内訳は以下の通り:
カナダ娯楽 4420万カナダドル
カナダ医療 1290万カナダドル
海外医療 2020万カナダドル
その他 3210万カナダドル
グロスマージンは6%でした。
修正EBITDAは-9200万カナダドルでした。
フリー・キャッシュフローは-1.8億カナダドルでした。
バランスシート上の現金は20.4億カナダドルでした。
2019年の年末に比べ-18%従業員を削減しました。
米国におけるCBD製品のウェブサイトとしてショップキャノピー・ドットコムを開始しました。
■タペストリー(TPR) 良かった
部門別売上高は以下の通りでした:
コーチ 5.17億ドル 前年比-53%
ケイトスペード 1.64億ドル 前年比-51%
スチュワート・ヴァイツマン 3330万ドル 前年比-61%
中国はいち早く実店舗の再開に踏み切り、日本、北米がそれに続いて6月から実店舗をオープンしています。
売上トレンドは6月から7月にかけて尻上がりに改善しています。
デジタルへの傾斜を加速させています。
タペストリーは値引きを控え、平均販売価格を上昇させる方針に転換しました。このためグロスマージンは370ベーシスポイント改善しました。
マージンの拡大はコーチ、ケイトスペード、スチュワート・ヴァイツマンすべてのブランドで見られました。
販売管理費を大幅に圧縮しています。前年比で-27%でした。
ケイトスペードではブランド・アイデンティティーを取り戻すことを目指しています。具体的には色、実用性、楽しさ、楽観主義などを体現するブランドであることを再強調してゆきます。それとの絡みでノベルティー商品が最近伸びています。ここ数ヶ月でインスタグラムのエンゲージメントが25%向上しました。
スチュワート・ヴァイツマンでは同ブランドの特徴である履き心地の良さ、クウォリティーの高さの面で評判を取り戻すことを主眼に置いています。