このレポートのまとめ
1.ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの決算では予約モメンタムが鈍化
2.スクエアの決算は予想を上回った
3.リヴォンゴ・ヘルスの決算は予想を上回った テラドックス・ヘルスと合併
4.ウォルト・ディズニーの決算はまちまちだった
5.ファストリーの決算は良かった
■ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングス(SPCE) 予約モメンタムが鈍化
7月20日にウォルト・ディズニーのテーマパーク部門の責任者だったマイケル・コルグラジエ氏がCEOに就任しました。創業者のジョージ・ホワイトサイド氏はチーフ・スペース・オフィサーに就任しました。
今期中、旅客を乗せて大気圏を飛ぶ「VSSユニティー」は2回テストを行いました。そこではまず運搬のためのキャリアー・エアクラフト「VMSイヴ」により5.1万フィートまで運ばれ、そこからグライダーとしてモハーヴェ砂漠の基地に帰還しました。
そのデータはいま解析中です。問題が無いことが確認されれば次は「VSSユニティー」に燃料を積み、「VMSイヴ」からの切り離し後、自力で上昇するテストを行います。
カスタマー・キャビンの様子は7月28日に公開されました。「VSSユニティー」の組み立ては2021年に完成する予定です。
これまでに700人の旅行客の申込がありました。そのうち600人から合計8,000万ドルのデポジットを徴収しました。予約申し込みは新型コロナウイルスの影響で一時見合わせていましたが、今は再開されています。この一時中断の関係で今期の予約成長率は前期よりやや鈍化しました。
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスは第2四半期決算発表後、公募増資を発表しています。
また長期の事業計画として9~19人乗りの三角翼超音速旅客機のコンセプトが披露されましたが、これはビジネス的には失敗に終わった1970年代のコンコルドを連想させ、投資家からは嫌気されました。
■スクエア(SQ) 予想を上回った
スクエアは傘下のフードデリバリーのキャビアをドアダッシュに売却すると発表しました。
スクエアの決済アプリ「Cash App」の売上高は急成長しています。ネットワーク効果が大きいです。今は「Cash App」のエンゲージメントと毎日の利用率を向上させることに注力しています。
キャッシュカードは新しいマネタイゼーション機会を提供しています。現在、350万人のアクティブユーザーがいます。アタッチレートは向上しています。またインスタント・デポジットが最も活用されています。
■リヴォンゴ・ヘルス(LVGO) 予想を上回った
リヴォンゴ・ヘルス(ティッカーシンボル:LVGO)の第2四半期決算は予想を上回りました。グロスマージンは76.6%でした。6月末での顧客企業数は1,328社、前年同期比+75%でした。
リヴォンゴ・ヘルスはテラドック・ヘルス(ティッカーシンボル:TDOC)と株式交換+現金で合併すると発表しました。
合併条件はリヴォンゴ・ヘルス1株がテラドック・ヘルス0.5920株+11.33ドルのキャッシュと交換されるというものです。買収総額は185億ドルです。
このM&A後、テラドック・ヘルス株主は新会社の58%を、リヴォンゴ・ヘルス株主は42%を所有することになります。
新会社はテラドック・ヘルスのデビッド・スノウ氏が会長に就任、さらにテラドック・ヘルスのジェイソン・ゴアヴィック氏がCEOに就任します。合併の完了は年内の予定です。なおこの合併には両社の株主の承認を必要とします。
新会社の売上規模は13億ドル(2020年)になる予定で、7,000万人の顧客・患者にサービスを提供し、向こう5年間での売上高面でのシナジーは5億ドルを見込んでいます。
テラドック・ヘルスは遠隔医療のマーケットプレースとしてリーダー的な存在で、様々な疾病分野の医師とのネットワークを確立しています。しっかりしたテクノロジー・プラットフォームに新しいサービスを統合し、スケールアップする能力を持っています。
リヴォンゴ・ヘルスは糖尿病やうつ病などの慢性疾患に苦しむ患者に対し、クラウドにつながるデバイスを通じたケアを提供しています。デバイスを通じデータ・サイエンスに基づいた気を提供することで患者の日常を支援します。
合併後新会社のプロフォーマ財務指標:
売上高 9.74億ドル
売上高成長率 52%
グロスマージン 67%
修正EBITDA 7300万ドル
修正EBITDAマージン 8%
現金 6.61億ドル(今回の合併で株主へ払い出す分を除外)
負債 18.8億ドル
新会社は今後30~40%の売上高成長率を見込んでいます。
■ウォルト・ディズニー(DIS) まちまちだった
メディア・ネットワーク部門の売上高は前年比-2%の66億ドルでした。営業利益は+48%の32億ドルでした。
ケーブル・ネットワーク部門売の上高は-10%の40億ドルでした。営業利益は+50%の25億ドルでした。ESPNが寄与しました。
テーマパーク部門の売上高は-85%の10億ドルでした。営業利益は20億ドルの赤字でした。
ダイレクト・ツー・コンシュマー部門の売上高は+2%の40億ドルでした。営業利益は7.06億ドルの赤字でした。「Disney+」の加入者数は5,750万人でした。
■ファストリー(FSLY) 良かった