東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は悪材料が重なり大幅続落となりました。日経平均は71円安の22,267円で寄り付くと円高が一段と進んだこともあって下げ幅を広げ11時20分過ぎに432円安の21,906円まで下落し前場を418円安で終えました。
451円安の21,887円でスタートした後場は昼休み時間中に東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が400人超と過去最多と伝わったことで一段安となりました。大きく持ち直すことなくじりじりと下げ幅を広げる展開となった日経平均は結局629円安の21,710円と安値引けで取引を終え6日続落となっています。
こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数が反落となったほか、日経ジャスダック平均も4日続落となっています。
2.個別銘柄等
昨日の取引終了後に第1四半期の決算を発表したZOZO(3092)とアドバンテスト(6857)が明暗を分ける格好となりました。ZOZOは第1四半期の営業利益が34%近い増益となったうえに、通期の営業利益も41%を超える増益となる見通しを発表したことで21.2%上昇しストップ高となりました。
一方でアドバンテストは第1四半期の営業利益が11%余りの減益となり、通期の営業利益も23%を超える減益となる見通しを発表し市場予想も下回ったことで14.9%下落しストップ安となっています。
そのほか決算で株価が大きく上昇したのが味の素(2802)や富士電機(6504)、TDK(6762)などで、味の素は第1四半期の当期利益が35%を超える増益となり、通期の当期利益も70%近い増益となる見通しを発表したことで11.3%高となりました。富士電機とTDKは第1四半期の営業利益が大幅な減益となったものの市場予想を大きく上回ったことで買われ、富士電機が7.2%高、TDKも8.0%高となっています。
反対にコマツ(6301)やパナソニック(6752)は第1四半期の営業利益が大幅な減益となり市場予想も下回ったことで売られました。コマツが8.6%安、パナソニックも13.3%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は4-6月の米GDPが過去最大の落ち込みとなったことでダウ平均が大幅安となったことや、ドル円で104円台前半まで円高が進んだことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることから大幅続落となり、およそ一カ月ぶりに節目の22,000円を下回りました。
日経平均は一昨日に25日移動平均線を割り込むと、昨日は25日移動平均線の回復に失敗しています。そして本日は200日移動平均線(21,954円)も割り込んだうえ、安値引けと後味の悪い終わりとなりました。下値不安が一段と強まりそうです。
なお、本日は決算発表の集中日で引け後にZホールディングス(4689)や村田製作所(6981)、マツダ(7261)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、KDDI(9433)など多くの企業が決算発表を予定しています。また、今晩の米国でもエクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)、キャタピラー(CAT)、メルク(MRK)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)