【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  26,313.65   ▼225.92  ( 7/30 )
NASDAQ:  10,587.81   △44.87  ( 7/30 )

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は米GDP速報値や米新規失業保険申請件数の悪化を嫌気した売りで反落となりましたが、ナスダック総合株価指数は引け後に決算発表を控えたアップル(AAPL)やアルファベット(GOOGL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、フェイスブック(FB)などに好決算を期待した買いが入り続伸となりました。172ドル安でスタートしたダウ平均はまもなくして547ドル安まで下落すると、その後下げ幅を縮める展開となりましたが結局225ドル安の26,313ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も12ポイント安の3,246ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は44ポイント高の10,587ポイントとなりました。

2.経済指標等

4-6月期の米GDP速報値は前期比年率換算で32.9%減となり市場予想を上回ったものの過去最大の落ち込みとなりました。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週から1万2000件増の143万4000件となり2週連続での悪化となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げました。そのなかでもエネルギーが4%を超える下落となったほか、素材と金融も2%近く下げました。一方で情報技術やコミュニケーション・サービスなどの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでも原油価格の下落を受けてエクソンモービル(XOM)が5%近く下げたほか、シェブロン(CVX)も4%以上下落しました。ダウ(DOW)も4%を超える下落となり、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)も3%を超える下げとなっています。一方でプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が決算で売上高などが市場予想を上回ったことで2%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり上場来高値を更新しています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回る増収増益となった物流大手のUPS(UPS)が急伸し14%以上上げました。また、アップルとグーグルの持ち株会社であるアルファベット、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックは取引終了後に決算を発表した決算が市場予想を上回ったことから揃って時間外で一段高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い0.54%となりました。ドル円は104円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が220ドルを超す下落となったことやドル円で円高が進んでいることから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は決算発表の集中日で数多くの企業が決算発表を予定しています。また、日本時間の10時には中国で製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で注目されます。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)