昨晩、突如コダック社の株価が3倍になりました。コダックとは、世界の写真産業をリードしたあのコダックです。私は幼稚園の時から黒白写真を撮り始め、撮るだけでなく黒白フィルムの現像まで幼稚園の時に始めたので、コダックとは長くて深い付き合いです。因みに、英語で Black & White と云うので、私のような一部の人はこだわって、白黒ではなく黒白フィルムと云います。TRI-Xで撮って、D-76で現像して、そんなことをしてました。高校では写真部部長でもありました。

銀塩フィルムは地球環境に優しくなく、同時にデジタル化が進む中で、コダックはどんどん追い込まれていきました。あ!因みに、金利デリバティブの起源とも云うべきクロス・カレンシー・スワップを世界で初めて行ったのはコダック社です。そんな世界を代表する大企業であるコダックは、時代の流れの中で、小さくなって行きました。3年ほど前に、コダクロームと云うマイナーなアメリカ映画があり、コダックの現像所最後の日をモチーフにした映画でしたが、写真好きには(或いは古くからの写真好きにのみ)ちょっと味のある映画でした。

そのコダックが昨晩、アメリカ政府から約800億円の融資を受け、医薬品材料の生産能力の増強に使う、と報道されました。トランプ政権が、医薬品の国外依存度を下げ、国内生産能力を上げようとする中で、国防生産法と云う法律を利用した史上初のこのようなローンを実行したのです。そして株価は3倍に。コダックはやはり、パイオニアなのです。史上初の通貨スワップ取引。史上初の国防生産法ローン。思いっ切り感傷的バイアスが入っていますが、コダックには再び輝いて欲しいと思います!