今週はFOMC、米国の4-6月期GDPの発表、中国PMI、決算発表のピークなど重要イベントが目白押しだ。まず28日、29日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。公表された前回の議事要旨によれば、多くのメンバーがYCC(イールドカーブコントロール)について懐疑的でフォワードガイダンスのほうを支持している。また、経済には当面、支援が必要であり、今後の会合で政策見通しを明確に伝達するよう努めるべきだとの認識を複数の参加者が示したとも記されていた。従って今回は金融政策の変更はないだろうが、どのようなメッセージを打ち出すか注目される。

30日に米国の4-6月期GDP速報値が発表される。市場予想はマイナス33.4%(前回マイナス5%)だが、経済再開後の各種指標からは予想を上回る可能性が示唆される。上振れを期待したい。

決算発表も本格化する。27日は日東電工(6988)、日立建機(6305)、28日は信越化学(4063)、東京エレクトロン(8035)、日産自動車(7201)、29日はエムスリー(2413)、野村ホールディングス(8604)、ANAホールディングス(9202)、30日は東日本旅客鉄道(9020)、日立製作所(6501)、パナソニック(6752)、オリエンタルランド(4661)、31日はキーエンス(6861)、塩野義製薬(4507)、村田製作所(6981)などの発表が予定されている。米国企業では、アップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)などの決算発表が30日に予定されている。

東京市場の連休中、米国市場では株価が下落、特に相場のけん引役であったハイテク株が崩れてきたのは市場のセンチメントを悪化させている。ドル円も一時105円台まで円高に振れた。米中対立も双方領事館の閉鎖などエスカレートしている。こうした相場環境では週明けの日本株は大幅下落でのスタートは避けられないが、その後、上記の重要イベントを契機として再び切り返すような展開をイメージしている。相場は上へ放れかけているので、ここでいったん弱気筋を振るい落してから、水準を切り上げるのだろう。週初の大幅安は押し目買いのチャンスではないか。慎重に対処するなら、2万2500円レベルにある25日移動平均を早期に奪回できるかを確かめてからのエントリーでもよいだろう。

今週の予想レンジは2万2300円~2万2900円とする。