週明けの日本市場の注目は安川電機(6506)の反応だ。先週末発表した2020年3~5月期の決算は、営業利益が前年同期比22%減の62億円だった。主力のモーター事業が次世代通信規格「5G」や半導体関連向けに堅調で市場予想平均(QUICKコンセンサス)の34億円を上回った。特に注目されるのが業績の先行指標となる受注額。前の四半期と比べて1%減にとどまった。中身を見ると売り上げの2割強を占める中国は57%増と急回復した。週明けの東京市場は安川電機だけでなく同業のFA各社から中国関連の景気敏感株へ買いが波及するだろう。

米国では今週から4~6月期の決算発表が本格化する。月曜日のペプシコを皮切りに、シティグループ、JPモルガン・チェースなどの金融機関の決算が続く。注目は16日、現地時間引け後のネットフリックスの決算だ。巣ごもり消費の中心的銘柄で連日史上最高値更新が続いてきただけに決算が利益確定売りのきっかけになりやすいので注意したい。

同じく16日には中国の4~6月のGDPが発表される。1~3月の成長率は新型コロナの影響でマイナス6.8%と四半期データをさかのぼれる1992年以降で初のマイナスだったが、4~6月はプラス成長に戻ると見られている。この日は中国の統計発表集中日でGDPのほかにも6月の工業生産や小売売上高なども発表になる。中国は新型コロナウイルスの感染拡大を抑えこみ、先進国に先駆けて成長軌道に戻りつつある。V字回復を好感して中国株が一段高となれば日本株相場にも追い風となるだろう。

日本株は4~6月期の決算発表を受けてアク抜けして上放れというのをメインシナリオにしているが、今週あたりからその助走を始めるのではないか。理由は、1)上述した通り中国景気回復が日本企業の業績に好影響を与えていることが確認されつつあること、2)ETF決算に絡む分配金捻出の売りもピークを過ぎ、需給的には軽くなること、3) 13週移動平均線が26週移動平均線を上回るゴールデンクロスを示現しテクニカル的に強気が増えそうなことだ。

今週の予想レンジは2万2000円~2万2700円とする。