東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株安を受けて続落となりました。日経平均は133円安の22,481円で寄り付き、取引開始直後に149円安の22,465円まで下げ幅を広げましたが、朝方の売りが一巡するなかで持ち直すと10時10分過ぎにプラスに転じ10時30分過ぎには53円高の22,667円まで上昇しました。買いが続かず再びマイナスに転じ43円安の22,571円で前場を終えた日経平均は23円安で後場をスタートさせると9円安まで持ち直す場面もありましたが、戻し切れないと再び下げ幅を広げる展開となりました。結局、日経平均は176円安の22,438円と安値引けで取引を終えています。

一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに4日続伸となっています。

2.個別銘柄等

アップル(AAPL)が2020年後半に発売するiPhoneの全新機種に有機ELパネルを採用する見通しと伝わったことで関連銘柄の一角が買われました。有機EL材料を手掛ける保土谷化学工業(4112)が15.6%高と急伸し年初来高値を更新したほか、製造装置のブイ・テクノロジー(7717)が4.0%高、アルバック(6728)が2.8%高、ワイエイシイホールディングス(6298)が5.5%高となりました。一方で液晶用のバックライトを生産するミネベアミツミ(6479)が2.6%安となっています。日東電工(6988)も有機ELパネルの普及で偏光板の使用量が減ると懸念されることから2.2%安となりました。

また、ビックカメラ(3048)が目標株価の引き上げを受けて3.8%高となったうえ、神戸物産(3038)も目標株価の引き上げを好感して4.5%高となり年初来高値を更新しています。反対に富士電機(6504)は目標株価の引き下げを嫌気して2.7%安となっています。イオンモール(8905)も昨日の取引終了後に発表した第1四半期決算で最終損益が赤字に転落したことで6.3%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となり、月曜日に回復した25日移動平均線(22,482円)を割り込みました。今週は上場投資信託(ETF)の分配金支払いに絡む売りを警戒する見方もありますが、下値サポートとして意識されていた25日移動平均線をこのまま下回ったままだと再び上値が重くなりそうです。なお、本日から主要な小売企業の決算発表が相次ぎます。本日はファミリーマート(8028)やイオン(8267)などが、明日はローソン(2651)やセブン&アイ・ホールディングス(3382)、ファーストリテイリング(9983)などが、そして週末は良品計画(7453)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)