このレポートのまとめ
1.米国の6月の雇用統計は予想より良かった
2.新型コロナウイルス第2波の懸念
米国の6月の雇用統計は予想より良かった
7月2日(木)、米国の6月の雇用統計が発表されました。全体的に良い内容でした。
まず非農業部門雇用者数は予想300万人に対し480万人でした。
【図表1】
失業率は予想12.3%に対し11.1%でした。
【図表2】
ウエイトレス、小売店の販売員など低賃金の人たちが再雇用されたことを受けて平均時給は35セント下がりました。これは悪いことではありません。
【図表3】
労働力率も61.5%へ戻ってきました。
【図表4】
人種別失業率を見ると白人の改善は著しいですが、その他は回復が遅れています。
【図表5】
学歴別失業率をみると中卒、高卒に改善が見られました。これは心強いことです。
【図表6】
新型コロナウイルス第2波の懸念
さて、上に見たように今回の雇用統計は全体的に良い内容でした。それ自体は歓迎すべきことです。しかしアメリカ南部諸州、具体的にはフロリダ、テキサス、アリゾナなどでは新型コロナウイルス感染者数が増加しており、せっかく再開したレストランなどをもう一度閉鎖する動きも一部には出ています。このことは今回の雇用統計には反映されていません。
つまり今回の雇用統計が良かったからと言って米国経済がすんなりV字回復すると決めてかかるわけにはいかないのです。
引き続き感染拡大の様子を注視したいと思います。