東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株安を受けて大幅続落となりました。日経平均は246円安の22,287円で寄り付くと10時過ぎに110円安の22,423円まで持ち直しましたが、下げ幅を広げると11時10分過ぎに369円安の22,165円まで下落しました。その後一旦下げ幅を縮める展開となり日経平均は299円安の22,234円で前場を終えると後場に入って13時過ぎに197円安の22,336円まで持ち直しました。しかし、再び下げ幅を広げ13時50分前に333円安の22,200円まで下落すると結局274円安の22,259円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数が反落となったほか、日経ジャスダック平均も8日ぶりに反落となっています。
2.個別銘柄等
オリンパス(7733)が急伸し11.2%高となりました。3期連続で営業赤字を計上していたデジタルカメラを中心とする映像事業を投資ファンドに売却すると発表したことが好感され買いを集めました。NEC(6701)も一時4.6%高まで買われ年初来高値を更新しました。NTT(9432)が約600億円を出資し次世代通信規格の5Gなどの先端通信網を共同開発すると伝わったことが材料視されました。引けは2.4%高となっています。
富士通ゼネラル(6755)は4月24日の決算発表時に新型コロナウイルスの感染拡大の影響で未定としていた2021年3月の業績予想を発表し、欧米での苦戦を国内のルームエアコンの販売増で補うことで営業利益が前期比7%増の160億円になりそうだと発表したことで3.3%高となっています。大塚家具(8186)は親会社のヤマダ電機(9831)の社長を代表権のある会長に迎える人事を発表したことで連携強化で経営再建が一段と進むとの期待が高まり急伸し12.8%高となっています。
一方で昨日の米国市場で空運株が売られユナイテッド航空ホールディングス(UAL)やデルタ航空(DAL)、アメリカン航空グループ(AAL)などが大幅安となった流れを引引き継ぎ日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が売られました。日本航空が4.1%安、ANAホールディングスが3.8%安となっています。昨日の取引終了後に上期決算を発表したエイチ・アイ・エス(9603)も営業損益が赤字に転落したことで8.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は新型コロナウイルス感染拡大を懸念した売りで昨日のダウ平均が700ドルを超える下げとなったことから大幅続落となりました。一時370円安近くまで売られ25日移動平均線(22,221円)を下回る場面もありましたが持ち直し引けでは上回っています。そのため節目の22,500円を割り込み274円安となったものの上昇トレンドは維持しているといえます。なお、今晩の米国では1-3月期の米GDP確定値や米新規失業保険申請件数、5月の米耐久財受注額などが発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)