【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25,763.16  △157.62 (6/15)
NASDAQ: 9,726.02  △137.22 (6/15)

1.概況

米国市場は米連邦準備理事会(FRB)が個別企業の社債の購入を開始すると発表し、FRBが企業への資金支援を通じて米経済を支える姿勢を改めて示したことで続伸となりました。新型コロナウイルスの感染拡大の第2波への懸念から335ドル安でスタートしたダウ平均は取引開始直後に762ドル安まで下落しましたが、持ち直すとFRBの発表を受けて午後にプラスに転じ一時は286ドル高まで買われる場面もありました。結局ダウ平均は157ドル高の25,763ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も137ポイント高の9,726ポイントとなっています。

2.経済指標等

6月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス0.2と前月のマイナス48.5から大幅に改善し市場予想も大きく上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも金融と生活必需品、不動産、コミュニケーション・サービスが1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではレイセオン・テクノロジーズ(RTX)とゴールドマン・サックス(GS)、アメリカン・エキスプレス(AXP)が2%を超える上昇となったほか、スリーエム(MMM)とダウ(DOW)も2%近く上げています。一方でメルク(MRK)が3%近く下げ、シェブロン(CVX)とファイザー(PFE)も1%を上回る下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、アイロボット(IRBT)が減収を見込んでいた4-6月期の売上高が予想に反して増収になる見通しと発表したことで9%を超える上昇となりました。また、バイオ製薬のモデルナ(MRNA)も7%以上上げました。イスラエル政府がモデルナが開発中の新型コロナウイルスワクチンの購入で協議していると伝わったことが材料視されました。ツイッター(TWTR)も投資判断の引き上げを受けて2%余り上げています。レンタカーのハーツ・グローバル・ホールディングス(HTZ)は最大5億ドルの普通株の売り出しを明らかにしたことで急落し33%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い0.72%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,000円を試すような展開をみせるかがポイントとなりそうです。また、金融政策に変更はないとみられますが、本日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)