ユーロと豪ドルで対照的な投機ポジション

この数ヶ月、対円以外で米ドル安(外貨高)が大きく進んだ。3月の安値からの米ドルに対するおもな外貨の上昇率は、豪ドルが約3割、またユーロも1割近くとなってきた。ただ、その割に意外といえるかもしれないのは、対米ドルでのポジションだ。

CFTC統計の投機筋のポジションでは、ユーロは(対米ドルで)買い越し、一方豪ドルは、じつは売り越しが続いている(図表1、2参照)。上述のように、米ドルに対する反発は、ユーロより豪ドルが大きかったが、その割に投機筋のポジションをみる限りは、豪ドルは売り越しが続いていた。

このデータを参考にすると、投機筋はユーロより豪ドルの買い戻しに出遅れ感が強い可能性がある。そうであれば、普通は、ユーロ以上に、豪ドルは下がったところの買い戻しが強く、上がれば買い遅れ解消で買い急ぐ動きが強くなりやすい可能性が考えられる。

【図表1】CFTC統計の投機筋のユーロ・ポジション(2017年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成
【図表2】CFTC統計の投機筋の豪ドル・ポジション(2017年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成