【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27,272.30 ▼300.14 (6/9)
NASDAQ: 9,953.75 △29.01 (6/9)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は利益確定の売りに押されて反落となりましたが、アマゾン・ドット・コム(AMZN)やアップル(AAPL)など主力ハイテク株の上昇を受けてナスダック総合株価指数は続伸となり史上最高値を更新しました。125ドル安でスタートしたダウ平均はまもなくして420ドル安余りまで下落した後140ドル安程度まで持ち直す場面もありましたが、再び下げ幅を広げるなど一日を通して軟調に推移すると結局300ドル安の27,272ドルと7日ぶりに反落して取引を終えています。また、S&P500株価指数も25ポイント安の3,207ポイントと3日ぶりに反落となりました。
一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は29ポイント高の9,953ポイントと3日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。取引時間中には一時10,002ポイントまで上昇し10,000ポイントの大台を上回る場面もありました。
2.経済指標等
4月の米卸売在庫は前月比0.3%増に止まり市場予想を下回りました。また、米卸売売上高は16.9%減と過去最大の落ち込みとなり市場予想を大きく下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、エネルギーが3%を超える下落となったほか、資本財・サービスと公益事業、金融も2%以上下げています。一方で情報技術とコミュニケーション・サービスの2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)が5月の商用機の受注キャンセルが新規受注の2倍になったと発表したことで6%近く下げたほか、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)も5%近く下落しました。ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とダウ(DOW)も3%以上下げています。一方でアップルとマイクロソフト(MSFT)、ウォルマート(WMT)が上げ、アップルは3%余り上げ上場来高値を更新しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、アマゾン・ドット・コムが目標株価の引き上げを受けて3%高となりこちらも上場来高値を更新しています。フェイスブック(FB)も目標株価の引き上げを好感して3%以上上げています。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)はエヌビディア(NVDA)が5月に発表した人工知能(AI)システムにCPU(中央演算処理装置)が採用されたと発表したことで6%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い0.82%となりました。ドル円はさらに円高が進み107円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場はダウ平均が300ドル安となったことやドル円も円高に振れていることから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の23,000円を割り込みそうですが、朝方の売り一巡後に下げ渋るような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)