東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は経済指標の改善を好感した米国株高を受けて続伸となりました。日経平均は113円高の22,175円で寄り付くと直後に56円高の22,118円まで上げ幅を縮める場面もありましたが、直ぐに切り返すと10時40分過ぎには264円高の22,326円まで上昇しました。その後一旦やや上げ幅を縮め185円高で前場を終えた日経平均ですが、197円高で後場の取引をスタートさせると再び上げ幅を広げる展開となり14時30分過ぎに339円高の22,401円まで買われ本日の高値を付けました。日経平均は22,400円を超えたところで上値を押さえられると引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局263円高の22,325円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が3日続伸となったほか、日経ジャスダック平均は13連騰となっています。

2.個別銘柄等

昨日に2%近く上げ上場来高値をおよそ2年ぶりに更新したニトリホールディングス(9843)が本日も堅調で2.0%高の20,310円となりました。20,000円の大台に乗せ上場来高値を連日で更新しています。また、ウシオ電機(6925)が急伸し13.5%高となりました。ウイルスを不活性化させる効果があるとされる紫外線照射機器を2020年後半に北米で商品化すると発表したことで買いを集めました。ブイキューブ(3681)も在宅勤務の浸透でウエブ会議の新規受注が増加していることから2020年12月期の利益見通しを上方修正したことで4.7%高となっています。

さらに目標株価や投資判断の引き上げに大きく反応したのがTHK(6481)やアンリツ(6754)で、THKは目標株価と投資判断の引き上げを受けて4.3%高となり、アンリツは目標株価の引き上げを好感して4.6%高となっています。

新興市場ではワークマン(7564)やRIZAPグループ(2928)が大きく上げました。ジャスダック市場ではワークマンが5月の既存店売上高が前年同月比19.4%増と大きく伸びたことで4.3%高となったほか、札証のアンビシャス市場ではRIZAPグループが新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために休業していた店舗の営業をすべて再開したと発表したことで2.8%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。113円高でスタートしましたが大きく押すことなく一日を通してじりじりと上げ幅を広げる展開となり一時は340円高近くまで上昇する場面もありました。地合いの堅調さを本日も実感する一日となりました。しかし、連日上値を追う展開で先月25日以降でみると下げたのは29日だけで、それも38円安と小幅な下落に止まりました。上昇ピッチが速く、そのため日経平均の25日移動平均線との乖離率が8.9%まで広がり、東証1部の騰落レシオも150.8%まで上昇するなど短期的な過熱感が一段と高まっています。そろそろスピード調整が必要との見方も増えてきそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)