歴史的な悪化予想が続く米第2四半期景気指標

新型コロナウイルス感染対策の経済的悪影響が本格化すると見られている第2四半期(4~6月)だが、同期間の米国のGDP成長率予想は、最近の株価の反発傾向とは別に、なお悪化の一途を辿っている

5月29日に更新された定評のある2つのGDP予測モデルの米第2四半期成長率予想は、ともに大幅な下方修正となった。とくに、アトランタ連銀のGDPナウの予想は、なんとマイナス51.2%となった。

ちなみに、第1四半期の同数値はマイナス5%。これでも記録的なマイナスだが、1四半期のGDPが、前期より50%、5割以上も減る(年率)という予想はちょっとイメージできないほどのものといえるだろう。また、もう一つのGDP予測モデル、NY連銀のGDPナウキャストが同じ日に更新した第2四半期成長率予想でもマイナス35.5%だった。

ところが、株価などはこのような景気指標の悪化を尻目に反発傾向が続いている。感染症対策に伴う経済の悪化は一時的で、感染症対策が緩和に向かい出していることを期待した動きと考えられる。

この参考になりそうなのは、「世界一の経済大国」、米国の1日当たりの感染者数かもしれない。同数値は、4月に入り、3万人をこえたところで拡大が一巡、最近にかけて2万人前後まで縮小してきた

最近は、ほとんど「経済対策=コロナ問題」になっていると見られることからすると、「コロナ問題=1日当たりの米国の感染者数」に株価の感度が高いのはわからなくもない。ただし、その「1日当たりの米国の感染者数」の縮小が、じつは5月に入ってから2万人前後で足踏みとなってきた。一方で、株価は米国など先週からこの間の高値を上回り始めた。

これは、新型コロナウイルス感染者数と株価が連動する「コロナ相場」の変化なのか。それとも株高が行き過ぎになるなど、どちらかが「間違い」ということなのか。今後の動きを注目してみたいところだ。