ユーロ/米ドルの120日MA攻防

ユーロ/米ドルが1.1ドルを比較的大きく上回ってきた。これによって、120日MA(移動平均線)も上回った(図表1参照)。経験的に、120日MAは、ヘッジファンドなど投機筋の売買転換点と一致してきただけに、このまま120日MAを上回った状況が続くと、投機筋のユーロ買いが一段の拡大に向かう可能性も注目される。
 

【図表】ユーロ/米ドルと120日MA(2017年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成

ユーロ/米ドルは3月下旬から約2ヶ月、1.08~1.1ドル中心のレンジ相場が続いてきた。3月下旬に、「コロナ・ショック」とされた世界的な株大暴落が一段落したが、その後からユーロ/米ドルは方向感のない一進一退が続いたわけだ。そんなレンジ相場が終わり、ユーロ高・米ドル安方向へ、新たなトレンドが出始めた可能性は注目される。

ユーロ/米ドルは、世界で最も取引量が多いため、対ユーロでの米ドルのトレンドは、米ドル全体のトレンドを示すことがこれまでの基本だった。その意味では、このまま対ユーロで米ドル安が広がるようなら、対円などでも米ドル安トレンドに向かう可能性は注目される。