週末はてくてくテクテク。三密を避けながら東京の町を随分散歩しました。歩けば歩くほど、東京は坂が多いことを実感します。東京に坂道が多いと書いたのは、永井荷風だったでしょうか？夏目漱石だったでしょうか？くねくねと、そしてうねうねと、東京の道は不規則に高低に入り組んでいます。
空襲があっても、都市開発が行われても、余程の大規模な都市開発プロジェクト地域を除いて、変化は道で囲まれた内側で起きていて、道自体はほとんど変わっておらず、山というか土地の隆起や窪地の存在が変わっていないのが、東京の特徴だと思います。ニューヨーク（マンハッタン）はどこまで歩いてもフラットで、うねりがあるのはセントラルパークぐらいだし（マンハッタン島全体が若干南に向けて下っていますが）、パリを含めたヨーロッパの町も、ちょっと階段はありますが、東京のようなうねりや坂道はあまりありません。
東京の坂道を歩いていると、ふと江戸を感じる時があります。細く長い坂道を上りながらふと前を見ると、麦わら帽子を被った人がひとり歩いている。坂道はちょっと左に曲がっていて、先を歩く人がだんだん視界から外れていき、最後に歩行に合わせて上下動する帽子がすっと消える。道の両脇にはお寺があり、時間は止まっている。なんか小説の一節のような風景が、坂道にはよくあります。普段と違う最近の生活は、色々な発見に溢れていて楽しいです。
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