モトリーフール米国本社 – 2026年10月27日 投稿記事より

2026年10月19日の週、RBC Capital Markets(以下、RBC)とS&Pグローバルのアナリストは、宇宙関連銘柄であり主要AI関連銘柄の一角でもあるスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ[SPCX]、(以下、スペースX)について、対照的ともいえる見解を発表しました。セルサイドのRBCは、スペースXに対する強気な見方を据え置いた一方、格付け機関S&Pグローバルの分析は、慎重姿勢を取るべき局面に来ている可能性を示唆しています。

RBCの強気な見方には相応の根拠があるものの、ハイパースケーラー(大規模クラウドサービス事業者)が抱えるAI関連の隠れ債務に関するS&Pグローバルの警告は、投資家が慎重に行動すべきであることを示唆しています。

スペースXの好調な決算を受け、RBCは強気な見方を維持

スペースXの直近の2026年第3四半期決算発表(2026年10月20日)において、売上高は前年同期比で161%増加し146億ドルとなった一方、純利益は前年同期の11億ドルの赤字から大きく黒字転換し44億ドルとなりました。

スペースXの好決算を牽引した最大の要因は、衛星インターネットサービス「スターリンク」であり、同事業の売上高は52億5,000万ドル、営業利益は24億ドルでした。また、経営陣は2027年第1四半期について強気なガイダンスを示し、売上高見通しは330~370億ドルと、市場予想の220億ドルを大きく上回りました。創設者であるイーロン・マスクCEOは決算説明会で、スペースXは競合するハイパースケーラーを上回るペースでAI計算能力を増強していると述べました。

これらの結果を受け、RBCは同社株の投資判断を「アウトパフォーム」、目標株価を225ドルに据え置きました。

S&Pグローバルは、ハイパースケーラーの巨額AI投資と隠れた債務リスクに対し慎重な見方

マスク氏は、競合他社を上回るペースでAI関連の事業規模を拡大していると主張していますがS&Pグローバルは、スペースXが無理な事業拡大を図っている可能性があると指摘しています。

S&Pグローバルによると、スペースXを含むハイパースケーラー上位6社は2029年までに7兆ドルのAI関連支出を計画しており、その中にはバランスシート上の負債として現れない保証債務も含まれています。

スペースXの第3四半期のAI設備投資は総額196億ドルに上り、第4四半期は350~400億ドルに増加すると見込まれています。同社は最近、AIインフラ構築の資金を賄うため、オフバランス取引による400億ドルの負債調達について、最終調整を進めています。

スペースXの巨額なAI投資はいずれ大きな成果を生む可能性があるものの、現時点ではその成否はまだ分かりません。数兆ドル規模の資金が投じられていることを踏まえると、スペースXへの新規投資やポジションの積み増しは慎重に検討する必要があると考えます。

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