円安に戻しても円買いを続けるヘッジF
米ドル/円は9月に一時152円まで下落したものの、その後はすぐに米ドル高・円安に戻す展開となった。これに対して、ヘッジFの取引を反映しているCFTC統計の投機筋の円ポジションは、それまでの売り越し(米ドル買い越し)から9月に買い越し(米ドル売り越し)に転換すると、その後も先週(10月19日週)にかけてそれを維持した(図表1参照)。なぜ円安に戻しても、ヘッジFは円買いを続けたのか。
その「謎」を解く鍵は、米ドル/円と120日MA(移動平均線)との関係にありそうだ。120日MAは、ヘッジFの円買いと円売りの分岐点の目安とみられている。上述のように、9月以降米ドル/円は152円から一時159円まで米ドル高・円安に戻したものの、120日MAを超えるには至らなかった(図表2参照)。
ヘッジFは、120日MAより円高なら円買い、120日MAより円安なら円売りが基本だとすると、大きく円安に戻したものの、120日MAを超える円安までには至らなかったことから円買いが維持されたということではないか。
ヘッジFのユーロ売りの理由も説明できる120日MA
CFTC統計を参考にする限り、ヘッジFは対米ドルで円買い越しを維持しているとみられるが、同じく対米ドルでユーロは大幅な売り越しになっている(図表3参照)。これは、フランスなどの財政懸念を受けた当然の結果のようでもあるが、それとは別にユーロ/米ドルと120日MAとの関係でも説明が可能だ。
ユーロ/米ドルは足下で120日MAより大幅なユーロ安・米ドル高水準での推移が続いている(図表4参照)。その意味では、フランスなど欧州の財政懸念などの理由とは別に、120日MAよりユーロ安での推移となっていることに伴う機械的なユーロ売りという面もあるのではないか。
159円台で米ドル売り・円買い介入の可能性
話をヘッジFの円買いに戻そう。米ドル/円と120日MAの関係からすると、120日MAより円高水準での推移ならヘッジFは円買いを維持するものの、120日MAより円安が広がるようなら円売りに転換する可能性がある。その120日MAは、足下で159.2円程度なので、それより大きく米ドル高・円安に向かうようならヘッジFは円買いから円売りに転換する可能性がある。
それは円安阻止で利害が一致しているとみられる日米の通貨当局からすると、基本的には回避したいところではないか。そう考えると、ヘッジFの円売りへの転換を阻止するべく、159.2円の120日MA以上の米ドル高・円安は許容しないとして、159円台で米ドル売り・円買い介入に動く可能性はあるだろう。
