東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は5日ぶりに小幅反落となりました。米国株高を受けて日経平均は97円高の20,692円で寄り付くと取引開始から4分後に139円高の20,734円まで買われましたが、伸び悩むと10時半過ぎから上げ幅を縮め11時過ぎにマイナスに転じ前場を11円安の20,583円で取引を終えました。3円高とプラスでスタートした後場ですが直ぐにマイナスになると下げ幅を広げ13時10分前には91円安の20,503円まで売られました。節目の20,500円を前に下げ渋ると日経平均は切り返し再びプラスに転じましたが上値は重く結局42円安の20,552円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って5日続伸となっています。

2.個別銘柄等

昨日の取引終了後に決算を発表した太平洋セメント(5233)が12.8%高と急伸しました。2020年3月期の営業利益が前期比7.6%減となり、2021年3月期も9.8%減の営業利益の見通しを発表しましたが、50億円を上限とする自社株買いを発表したことや、2021年3月期の配当予想を2020年3月期と同額に据え置くなど株主還元に前向きな姿勢が評価されました。同じく急伸したのが日本信号(6741)で2021年3月期の業績予想は未定としましたが、2020年3月期の営業利益が前期比27.3%増の89億円となり会社計画の75億円を上回ったことから10.5%高となりました。

また、大阪、京都、兵庫の近畿3府県の緊急事態宣言の解除が諮問委員会で了承されたことを受けて近鉄百貨店(8244)が一時3.8%高まで買われました。引けは2.3%高となっています。

一方でアマダ(6113)が3.5%安となりました。2020年3月期の営業利益が前期比23.2%減となったうえ、20201年3月期も82.7%減の大幅な減益となる見通しを発表したことが嫌気されました。島津製作所(7701)も2021年3月期の営業利益が47.4%減となる業績予想を発表したことから一時6%近く下げました。引けは1.7%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株高を受けて一時140円近く上昇しましたが、トランプ米大統領がツイッターで中国を批判したことで米中対立への懸念が意識され失速し小幅反落となりました。東証1部の騰落レシオが昨日時点で121.4%と120%を超えてきたことでやや過熱感が意識され利益確定の売りも出やすかったとえます。こうしたなか中国では明日から全国人民代表大会(全人代)が開幕します。政策期待が高まりやすいこともあり中国関連銘柄に注目が集まる場面もありそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)