動画ストリーミング、ゲームソフトの人気銘柄
アクティビジョン・ブリザード(ATVI)
同社はゲームソフト会社。オンライン、コンピュータ、モバイル、タブレット向けのゲームソフトの開発・配信・販売に従事している。
コール・オブ・デューティーや、キャンディ・クラッシュを含む人気シリーズを有し、世界のビデオゲーム市場における長期安定成長株だ。更に、コール・オブ・デューティー・モバイル、オーバーウォッチ・リーグEスポーツ等新事業で、市場拡大による成功を謳歌している。
業界調査会社のNewzooによると、ビデオゲーム業界は2022年まで年間約9%成長して市場規模は1960億ドルに達すると予想されており、巣篭もり長期化が予想される中、同社人気は続こう。
自宅でトレーニング関連銘柄
ペロトン(PTON)
2012年設立の「フィットネスクラスとサブスクリプション」で自転車を使った有酸素運動のエクササイズをオンラインで展開している企業である。2019年時点で、スタジオは2カ所、フィットネス用の専用器具(エクササイズバイクとトレッドミル)を売っている実店舗が37カ所ある。2019年9月末にナスダックに上場して、ますます知名度を上げている。
2019年6月30日までの1年間での売上高は9億1500万ドル(約980億円)となっており、前年比で110%の伸び率。同社は、家庭内で使うエクササイズバイクを2,295ドルで販売し、バイクはインターネットに接続し、オンラインでエクササイズを受講できるサブスクリプションサービスを月39ドルで提供している。会員数は、30万人を突破している。
動画は、録画ではなくストリーミングなので、決まった時間に自宅の専用バイクに乗っていないとクラスを受けることができない。ダウンロードだと、後で見ればいいやという人が増えてしまう。クラス中にはカロリー消費の高い人のランキングや今まで自分が受けたクラスなども参照可能、SNS連携までできる。フィットネスとSaaSの融合が実現できている。
在宅勤務拡大・長期化メリット銘柄
1.マイクロソフト(MSFT)
マイクロソフトは3月29日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、米国や欧州、アジアの各国でリモートワーク推奨の動きが広がった結果、同社のクラウドサービスの利用度が775%の上昇を遂げたと発表した。また、マイクロソフトの業務コミュニケーションツール「Teams」のデイリーアクティブユーザー数は4400万人を突破した。
同社は更に3月30日、業務ソフト「オフィス」で人工知能(AI)による提案機能を強化すると発表した。「ワード」で読みやすい文章を指南したり、「パワーポイント」で内容に応じたデザインを薦めたりする。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出制限で在宅勤務をする人が増えるなか、仕事の効率化につながるサービスを拡充する。世界では新型コロナ対策で不要不急の外出を禁じる動きが広がっており、米国だけで約7500万人が在宅勤務をしているとされる。
同社はもともと、クラウド基盤のアジュール事業、「ワード」「エクセル」など業務ソフトをネット経由で提供する「オフィス365(企業向け)」事業、クラウド上で統合業務管理サービスを提供する「ダイナミクス365」事業、ビジネス向けのSNS(交流サイト)「リンクトイン」事業などが絶好調だ。
2.ジースケイラー(ZS)
2018年度の売上高成長率は、前年比51.3%増、2019年度は通期ベースで黒字転換見込み。ゼットスケーラーは、クラウド・セキュリティのサービスをサブスクリプション・モデルで提供している。無借金経営で、粗利は80.1%と極めて高い。
クラウド上のサービスをシステム利用するのが世の流れとなっており、セキュリティ対策もクラウドで行うのが主流になるとの観点から、クラウド上にある同社のセキュリティゲートウェイを介して、各ユーザーとアプリケーションを接続する仕組みで、セキュリティゲートウェイは、URLフィルタリングやアンチウイルス、標的型攻撃対策に有効なサンドボックス機能などを提供する。
セキュリティゲートウェイは、世界各地に100拠点以上ある同社のデータセンターで提供されており、ユーザーは最寄のデータセンターを経由してアプリケーションを利用できる。日本では2018年にオフィスを開設したが、ソフトバンクが同社と提携し、クラウド型ウェブプロキシサービスを、2019年1月21日から提供開始した。
クラウドサービスならではの大量の処理能力を有しているため、SSL(Secure Sockets Layer)で常時暗号化されているインターネット通信内の脅威検知に必要なハードウエアのリソース設計が不要となり、プロキシ設備などへの負荷を軽減することが可能になった。
3.ビーバ・システムズ(VEEV)
2019年度の売上高成長率は、前年比24.9%増、調整済みEPS成長率は50.1%だった。
同社はライフサイエンス業界に特化したクラウドベースのアプリケーションソフトウェアの代表的企業だ。全てクラウドやモバイルアプリケーションを介して、サブスクリプションベースで顧客に提供される。
顧客企業はファイザーやノバルティス、メルク、アムジェンなど世界最大級の製薬企業から新興バイオテクノロジーまで多様だ。Veeva CRMを中核として成長してきたが、ビーバ・ボルト、顧客マスタデータ管理ソリューションのビーバ・ネットワーク、データおよび関連サービス提供のビーバ・オープンキーが追加された。
Veeva CRMでは業務報告の時短と、そのすべての接点履歴をもれなく把握することで、適切なマーケティングデータや販促資材を顧客に提供することができるようになった。Veeva Vaultは、規制、臨床、品質、医療、営業向けのライフサイエンス業界特化アプリケーションで、規制文書の効率的管理、臨床試験・治験業務・臨床データ・規制当局のやり取りや申請書類などコンテンツ管理プラットフォームとアプリケーションを提供。
クラウド提携企業ではAWS(Amazon Web Service)を選定。プラットフォームとしてパートナー企業とエコシステムを形成している。無借金経営で、粗利が高い。
製薬業界では特許切れによる売上減少や競争激化、規制強化、薬価上昇に対する圧力の高まりなど、コスト削減や効率化が求められており、まさに時代の要請に適った企業だ。新型コロナウイルスによる感染者拡大は、製薬会社の効率化追及を後押ししよう。
(2020年4月20日執筆)