【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 23,515.26  △39.44 (4/23)
NASDAQ: 8,494.75  ▼0.63 (4/23)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。原油価格の上昇が続いたことや経済活動再開への期待からダウ平均は小幅に続伸となったものの、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は午後に入って上げ幅を縮めると小幅に反落となりました。67ドル高でスタートしたダウ平均は409ドル高まで上昇する場面もありましたが、午後に期待が高まっていたバイオ製薬のギリアド・サイエンシズ(GILD)の新型コロナウイルス治療薬の臨床試験の結果が失敗だったと伝わると上げ幅を縮める展開となりました。結局ダウ平均は39ドル高の23,515ドルで取引を終えています。

一方でS&P500株価指数が1ポイント安の2,797ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も0.6ポイント安の8,494ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は442万7000件と前週から18万件減少したものの依然として高水準で、過去5週間の申請件数は2650万件となっています。また、4月の米製造業PMI速報値は36.9と2009年3月以来の低水準となり市場予想も下回りました。3月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比15.4%減の62万7000戸となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや資本財・サービス、コミュニケーション・サービスなどの6業種が上げ、エネルギーは3%高となりました。一方で5業種が下げ公益事業と不動産、生活必需品が1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向

原油価格の上昇を受けてエクソンモービル(XOM)が3%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、シェブロン(CVX)も3%近く上げています。また、鉄道大手のユニオン・パシフィック(UNP)が決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで3%以上上げています。会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)は1日当たりの利用者数が3億人以上となったと発表したことで急伸し12%以上上昇しました。

一方でギリアド・サイエンシズが新型コロナウイルス治療薬の治験に失敗と伝わったことで4%を超える下落となりました。ディスカウントストア大手のターゲット(TGT)も新型コロナウイルス対応でのコスト増で2-4月期の利益率が悪化する見込みと発表したことで3%近く下げています。さらに半導体大手のザイリンクス(XLNX)が決算で4-6月期の見通しが市場予想を下回ったことで4%近く下げています。半導体製造装置のラムリサーチ(LRCX)も決算で売上高などが市場予想を下回ったことで3%近く下落しました。取引終了後に決算を発表したインテル(INTC)は4-6月期の1株利益の見通しが市場予想を下回ったことなどから時間外で大きく下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い0.60%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなったことで新たな買い材料に乏しいことからやや売り優勢でのスタートが予想されます。週末で様子見となりやすいなかで昨日に2兆円を割り込んだ東証1部の売買代金に回復がみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)