新型コロナウイルス感染予防のための「外出自粛」でキャッシュレス決済が増加中
新型コロナウイルス感染症への予防対策として、キャッシュレス決済を利用する人が増えています。店舗での買い物では、直接人と現金を受け渡しすることを避け、クレジットカード、QR/バーコード決済などを利用する人が多いようです。
また、直接買い物に出かけることに不安を感じネットショッピングを利用する人が増え、外食の代わりにデリバリーを頼む人も多くなっています。
このように消費の仕方には変化がみられ、今までとは異なる生活の仕方、お金の使い方になっていることを実感されている方も多いのではないでしょうか。ですが、「キャッシュレスが便利、安全だ」と安易に慣れ親しんでしまうと、その利便性ゆえにお金を使いすぎてしまう場合があります。そこからなかなか元の使い方に戻せないケースも。
ですから、こういう時期だからこそお金の使いすぎが起こらないように、管理方法を整えておきましょう。
キャッシュレス決済の管理のポイント
2019年の記事、「今のままでいい!? キャッシュレス決済の使い方」でもお伝えしましたが、キャッシュレス決済を管理するには、お金が出る口座を1〜2個に絞ると管理しやすく便利です。
その後は現金管理の時と変わりません。支出状況を把握するために、支出の記録をしていきましょう。現金管理の時と変わらない使い方であれば安心です。
私共の方で家計相談をおこなっているお客様には、現金と棲み分けできるように記録時には金額をカッコ()で括るか、下線を引くなどの工夫をするようにアドバイスしています。クレジットカードの利用時も同じ要領です。また、記入のタイミングはチャージ時や口座引き落とし時ではなく、基本的に使用時に行うことをおすすめしています。
ただ、今は「巣ごもり消費」と言われる、在宅時間が長くなることを起因として増える支出があります。この増加分はやむを得ないものですが、過度になりすぎていないかという振り返りは必要なことと思われます。
不要不急の外出を控えるために食材を買い溜めているはずなのに毎日買い物に出かける。電気水道などの利用料金が増える。手に入りにくいマスクやトイレットペーパーなどの消耗品を見かけるといつもより高額でもつい購入してしまう。これらのような支出が増えてしまう原因が今やたくさんあります。やむを得ない部分と、無駄に買い溜めてしまっている部分の線引きができると、今の状況でも上手にやりくりを考えていくことができるでしょう。やはり支出の振り返りが役に立ちそうです。
ある程度慣れてきたら、現状に合わせ、食費や日用品代などは1週間の予算を組み立てることも、やりくりを整えるには有効です。
つまり、キャッシュレス決済が主であっても、家計の管理は今までと同じ、ということなのです。消費税の増税とともにキャッシュレス決済が拡大してきた際に言われてきた管理の仕方と同じです。
キャッシュレス決済の副産物で投資する手もアリ
今は暮らしで精いっぱい。投資は相場が下がっているからチャンスとは言っても、なかなか手が出せない人もいることでしょう。今は生活が第一です。無理に投資を始める必要はありません。
ただ、キャッシュレス決済は現金決済よりもポイントがたまることが多かったりします。投資が気になる人は、それらを利用して投資をしてみてもよいでしょう。
たとえば、現金と同様に投資信託などを購入することができるポイント投資などが提供されている金融機関もあります。投資のきっかけとしてそうしたサービスを試してみるのもよいでしょう。
ご家庭の家計状況が良くなってから、本格的な投資に取り組むことを検討するのも選択肢の1つではないでしょうか。つまり、今の時期は投資を体験する、マーケットの変動に慣れる時期として使うのです。ポイントで株を買えば売却したときには現金にできます。たとえ損をしても、「ポイントだったから」と割り切ることもできるでしょう。
ただ、ポイントほしさにクレジットカードを多用したり、生活費不足を補うクレジットカードの利用をポイント投資のためとして正当化したりすることはないように。それならお金で投資をしたほうが、効率がよいと言えます。あくまで自然なやりくりの中で使い、自然にたまったものでやってみる。その程度で十分であると思われます。
現状に合わせてできることに取り組む。それが今のベストです。状況が回復した時に次のステップに移ることができるよう、無駄のない管理をし、手の届く範囲でできることを広げておきましょう。