消費税増税以降、キャッシュレス決済によるポイント還元を期待して、クレジット・デビットカード、電子マネーやQRコード決済などの決済方法を利用する人が増えているように感じます。一方で、よくわからない、使い方が心配などと、全く利用していないという人もいるようです(そのことを「悪い」といいたいのではありません)。

消費税増税が実施されて1ヶ月以上たった今、改めてキャッシュレス決済の利用の仕方について、振り返ってみたいと思います。

キャッシュレス決済、どう使っていますか?

コンビニで利用すると2%引きだから利用が増えた。5%還元のポスターを見ると、買おうかどうか迷っていたはずの商品も買ってしまう。こんなことが起きていないでしょうか。

キャッシュレス決済では現金を見ずに買い物ができる分、思いがけず支出が増えてしまっているという人も見かけるようになりました。つまり、浪費をしてしまっているということです。

特にスマートフォンのアプリで利用できる「○○Pay」などのQRコード決済は、利用する人が非常に増え、つい使いすぎているという人が増えているように感じます。

ポイント還元率がクレジットカードなどよりも高く設定されていることが多いですし、頻繁にポイントアップのキャンペーンが行われています。スマートフォンに直接ポイントアップやお得さをアピールした広告が届くので、どこで購入するとお得なのかもわかりやすく、つい、その情報に乗ってしまいがちになるのです。

ですが、誘われるがままに使っていたら、お金はどんどん減ってしまいます。そこで、しっかりと支出の管理をすることを考えていく必要が生じます。

支出の管理には、家計簿アプリが便利ですが、実は全てのキャッシュレス決済に対応しているわけではありません。そのため、カード類なら利用明細、アプリならば利用履歴が一番役に立つということになるのですが、複数の決済方法を併用している方にとっては、それらをまとめる必要があるため、支出の管理が複雑に思えてしまいます。

しかし、一度仕組みを作ると比較的わかりやすく、簡単に支出の管理ができます。どのような仕組みだと思いますか?

キャッシュレスでの支出の管理のコツ

複数の決済方法をまとめて管理するのに役立つのが、クレジットカード・デビットカードの支払い口座と、アプリに連携して利用するクレジットカード、もしくは銀行口座を一本化するという方法です。つまり、支出する大元は、一つにしようという管理の仕方です。支出の出口が複数化していても、出口の大元が1つであれば、支出の把握はしやすいものです。

クレジットカードやデビットカードは、従来通りの銀行で支払う設定のままで良いと思います。アプリのQRコードで支払う場合は、クレジットカードや銀行口座に連携させ、利用することがほとんどでしょうから、それをクレジッカードなどの支払い口座と同一にしておけば、より支出の管理がしやすくなります。

銀行口座の入出金明細をその銀行のアプリなどで確認できるように、ネット銀行やダイレクトバンキングサービスのある銀行を利用すると、より把握がしやすいでしょう。

特にアプリで決済する場合、その利用履歴は即時に記録されます。すぐに入出金明細が確認できれば、アプリにチャージした記録を見てその金額が多い場合には、もしかすると無意識に使いすぎているのかなと、支出の振り返りがしやすい状況を作ることができるのです。

確かにお金を使いすぎる傾向になりがちなことは不安なことですが、世界中でスマホによるキャッシュレスが広まっている今、私たち日本人も、そのキャッシュレス決済に慣れておく必要があります。そして、管理することにも慣れなくてはいけません。

実際、セキュリティ面や、設定の面倒さなどを懸念されている人も多いようです。ですが、普及していくのと並行して、アプリ決済の事業者もそれらに意識を向け、より一層力を入れ、日々サービス改善されていると感じます。アプリが指定する対策を実行していれば、大きな心配はないように思います。不正利用が万が一あれば、補償するとまで各事業者が明言しているということは安心材料といえます。

このような支出の管理をきちんとした上で、ポイント還元を楽しく生活に取り込んでいただきたいと思います。

上手にポイント還元生活を送るために

また、支出の管理とは別に「どこで高還元率の買い物ができるか」も把握できるようにしておきたいものです。自分の周りでどのお店が「キャッシュレス・ポイント還元事業」に参加しているかがすぐわかるアプリがあるのをご存知ですか?経済産業省が出している「ポイント還元対象店舗検索アプリ」です。

ポイント還元の対象になっている近くのお店がわかる上に、そのお店ではどの決済方法が対象となるのかがわかって便利です。

また、いつも通勤・通学などで電車を利用する方は、JRE POINTの手続きも忘れてはいけません。毎日乗るものですから、知らずしらずのうちにポイントを貯められます。貯めたポイントは、再びスイカの残高としてチャージするほか、駅ビルでの買い物などに使えます。

メリットの多いキャッシュレス決済を「よくないもの」にしないよう、上手に活用していきたいものですね。