東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は先週末に大幅高となった反動で反落となりました。日経平均は207円安の19,689円で寄り付くと取引開始5分後には285円安の19,611円まで下げ幅を広げましたが、朝方の売りが一巡すると持ち直し10時前には112円安の19,784円まで下げ幅を縮めました。その後19,700円を挟んで上下60円程度で揉み合う展開となった日経平均は結局228円安の19,669円で取引を終えています。一方で新興市場は引き続き堅調で東証マザーズ指数が6日続伸となったほか、日経ジャスダック平均は11日続伸となっています。
2.個別銘柄等
先週末の米国市場でJPモルガン・チェース(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)などの金融大手が大幅高となったことで日本市場でもメガバンクがしっかりでした。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が1.4%高となったほか、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が0.3%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も0.7%高となりました。また、先週末の米国市場でボーイング(BA)が大幅高となったことで買われたのがIHI(7013)で、ボーイングが新型コロナウイルスの影響で3月から休止していた商業機の生産を段階的に再開すると発表したことでボーイングの航空機向けのエンジン製造に関わっているIHIが買われ3.2%高となりました。
業績予想の上方修正・下方修正によって明暗を分けたのが共英製鋼(5440)とワールド(3612)で、共英製鋼は利益予想を上方修正したことに加えて、年間配当を従来の60円から75円に引き上げたことが好感され4.5%高となりました。しかし、ワールドは暖冬で冬物重衣料が低調でブランド事業での販売苦戦が続いたことから業績予想を引き下げたことで1.7%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
先週末に日経平均が600円を超える大幅高となったこともあって節目の20,000円を前に利益確定売りが優勢となり本日は下落となりました。日経平均の20,000円の大台回復はお預けとなりましたが、まずは下値を固めてからということかもしれません。こうしたなか米国では決算発表が一段と本格化します。先週は金融大手を中心に決算発表が行われましたが、多額の貸倒引当金を計上したことなどで大手行はそろって大幅な減益となりました。今週はITから食品、ヘルスケアまで幅広い業種の決算発表が予定されています。また、日本市場でも週後半から決算発表がスタートします。日米ともに企業決算に注目が集まりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)